【文アル】司書がある世界に迷い込んだ話。【文スト】 (ページ7)

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7話ページ7

「へえ……社長はなんて？」

「同意があれば入社を許可すると。無論、異能力者でない為事務仕事を中心にやってもらうことになるだろうが…」

「異能……？」

ここで彼女の疑問に気づいた国木田が説明に入ろうとする。
しかし

「ああ、異能とは…」

「そうそう説明してなかったねえ！

僕達は異能力者なのだよ！」

「えっああ…はい」

「貴様は何故俺話を遮る！！！」

「いやいやそんな顔しないで、私達は決して厨二病集団では無いのだよ！！」

「いえあの、大丈夫です、はい…」

「ほら敦くん！見せてあげてよ！！」

「え、何で僕なんですか嫌ですよ！！」

「君のが１番わかりやすいじゃないか！ほら出し惜しみしてないで！！」

「だいたいこんな所で出したら危ないじゃないですか！！」

「ああはい、一般人に見せたら危ないですもんね…」

よもや可哀想なものを見るどころか現実から目を背けているような瞳をそっと彼らから逸らす。

「ほら君のせいであらぬ誤解が生じてるじゃないか！！私が何とかしてあげるから早く！！」

「十中八九太宰さんのせいですよね！？まあ…そこまで言うなら…仕方ありませんけど……」

敦は懇願する太宰と可哀想なものを見る目でこちらを見るAを交互に見ると諦めたようにため息をついた。

彼が軽く目を瞑ると何処からともなく彼のまわりに風が吹き始め、眩いばかりの光が溢れ出すと彼を包んでいたそれはぱんっと弾けた。

中から飛び出してきたのは、虎だった。

虎はぐっと体を伸ばし膠着状態の私に頬ずりをした。その仕草は猫そっくりで、まさに"懐柔された虎"だった。

虎は私が固まっていることに気がついたのか頬ずりを辞め、太宰さんの方に困ったような顔を向けると太宰さんは「お疲れ様」とだけ言って虎の頭を撫でた。

すると一瞬のうちに虎は中島さんに姿を変えた。

「…これで、信じてもらえたかな？」

「───────中島敦、 "山月記"、？」

滞る思考の中、やっと絞り出したのはその言葉だけだった。

＊

ん？探偵社内で自由に虎になれたのっていつからだ？

なんてそんな野暮なことは考えてはなりません。

ただしこの先敦くんがいきなり「うわーん月下獸が使えないよー太宰さーん！」と言い始める可能性も否めないのが恐ろしいところ。

今後も文豪ストレイドッグスの原作に沿わない行動、話が紡がれると思いますが、どうかご容赦ください。