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どのくらいか、
車を走らせて目的の場所に着くと
後部座席を開けて、助手席を開けて、
忠義を抱きかかえる。
長く続く1本の道。
この先は白い砂を水がすくって連れていく
｢先生。このまま進んで｣
｢は？｣
｢お願い｣
｢無理やで。砂浜じゃ車椅子は進まへん｣
｢…知ってる。言うてみただけ｣
｢戻ろか｣
｢先生。｣
｢どした｣
｢置いてって｣
柔らかい髪を潮風に揺らして口を開いた
｢俺さ、ガキの頃からずっと病院やん？
外を知らずに生きてきて、白い壁と消毒の匂いしかないあの場所で、外に憧れて、海に憧れて、やっと退院出来たと思った矢先に俺の入院費を稼ぐために必死こいて働いてた父親が過労で心臓発作。
連絡受けて病院へ向かった母親の運転した車が事故巻き込まれて、俺の脚は動かなくなって、ついでに持病も悪化、3年前に2人の遺産で入院生活が再開。
学校復帰しても、友人がおるわけやないし、こんなんやから、面白がるやつか腫れ物触るみたいに扱うやつか、そんなんしかおらん。｣
真っ直ぐ水平線を見つめたまま、
つかえることなく
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作者名：時音 | 作成日時：2021年7月23日 22時
