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5話 ページ6

『淹れてくれてありがとう…台所かります…ね』



 
「ああ……すまないな!二度手間をかけてしまって…自由に使ってくれ!」



申し訳なさそうに言う彼の手から湯呑を受け取った。





台所かりました。お茶、いれました。

美味しいお茶を2人で飲みました。



美味しかったです。今まだ生きています。
素晴らしいですね。


杏寿郎が使ったあとの台所は空き巣が入ったみたいでしたよ。







さて!…美味しいお茶も頂いたし。

……帰ろっかな!



流れで杏寿郎の家まで来たけど、私の悩みについてなんか全然話したくない。



そろそろと帰ろうかなという素振りを見せてみる。


『じゃ、私そろそろお暇』
「どうして雨の中立っていたのか聞いていないな!!!!」






杏寿郎に腕掴まれた。

くそ…逃走失敗した……






いや、ほんとに話したくないな……

凄い言いにくい事ってわけではないけど、自分の中の整理ができてないんだ。

特に杏寿郎には言いたくない。




『言わなきゃ駄目?』
「駄目だ!!!」






彼の燃えるような赤い瞳が私を見つめる。





ため息をついてから、諦めて口を開いた。





『……実は…私、あのね』
「うむ!」

杏寿郎が私の目を見つめて返事をしてくれた。




うわー…言いたくないなほんと……私自身まだ受け入れてないし…


小さな声で続けた。

『お見合いしなきゃいけないの…』





畳の一点を凝視しながら言う。




『なんかいっつも行く甘味処で会う弘さんていう三歳年上の人が……一目惚れで是非って。

一回会うだけでもいいからって。
……最初は両親も反対してたんだけどね』





杏寿郎がどんな顔してるのかわからないし、見る勇気もないし見たくもない。



『なんかボロ泣きで一回でいいから会ってくださいって言われてさ。思わず了承しちゃってね。』






「むう…」

杏寿郎が少し声を漏らした。





『だってほら、結婚とかは私だって好きな人としたいし…


…わっ、杏寿郎!!!』









ドサッ、と大きな音がした。



恐る恐る杏寿郎を見る。






「…君…よもや好きな男がいるのか」



杏寿郎が真っ直ぐ私を見る。




赤い瞳に悲しみとも焦りとも取れる色が滲んでいるのがわかった。






なんで杏寿郎がそんな顔するんだろう。


なんで?…なんで……









一人で床に倒れてるの?杏寿郎!!!

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抹茶タピオカ2号(プロフ) - ウ〜〜〜〜〜!?!?////ヤバイ吐血&鼻血が、止まらん!!((変態とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月4日 20時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 千寿郎お母様にそっくりだー( ゚□゚)とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月4日 2時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - うわー!杏寿郎と夢主ちゃんが、大変なことになってる!\(゜ロ\)(/ロ゜)/とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月3日 21時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
roro(プロフ) - 始めまして!めちゃめちゃ面白くて何回も読み返しました!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年4月3日 2時) (レス) id: 66099f3f1d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月3日 0時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おさかなだいすき | 作成日時:2020年3月24日 15時

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