1話 ページ2
「どうしたんだ!A!」
大きな声が、降りしきる雨を切り裂いて私の耳に届いた。
振り返ると、そこには幼馴染の煉獄杏寿郎が、傘を片手に私を見つめていた。
『…なんでもないよ』
私はそう返事をする。
明らかに声が沈んでいるのが自分でもわかった。
「…嘘だな!
俺の記憶違いでなければ君は何もないのに大雨のなか傘もささず、ずぶ濡れで立っているような人ではない!」
杏寿郎が私に近づき、傘を傾けた。
振りかかっていた冷たい雨が止む。
私のお隣に住んでいる杏寿郎は、鬼殺隊という
悪い鬼を滅しちゃう強い人たちの仲間らしい。
しかも煉獄家は昔から代々炎の呼吸を受け継いでいる凄いお家で、そんなすごいお家と、我が家は昔から交流がある。
「何かあったのか?
こんなとこにボーッと立っていては風邪を引いてしまうぞ!」
心配そうに杏寿郎が聞いてくる。
首を傾げた彼が、濡れて額にかかった私の髪を指で払った。
『そうだねぇ…風邪は嫌だなあ』
私の煮えきらない答えに杏寿郎は少し眉尻を下げ、困ったような笑みを浮かべる。
「むう……どうしたものか!!何かあったのだろう!!俺で良ければ話を聞くが!!!」
大きな声が聞こえて、杏寿郎を見上げると、彼は柔らかく微笑んだ。
『…うん、じゃあ…話聞いてほしい。どっか行こう、屋根あるとこ。』
幼馴染の柔らかい微笑みに絆されて、彼の提案に乗った。
「…………俺の家でどうだ!!…しかし今は家族が留守にしているが」
『いいの?ありがとう』
そう返事をした私を杏寿郎は何故か微妙な顔で見つめた。
「…………うむ!二人だが!!俺の家でいいんだな!!」
『え?うん。駄目?』
「………駄目ではない!!!!」
なぜか見つめていた目を逸らして、杏寿郎が溜息をついた。
何なんだ一体……
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抹茶タピオカ2号(プロフ) - ウ〜〜〜〜〜!?!?////ヤバイ吐血&鼻血が、止まらん!!((変態とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月4日 20時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 千寿郎お母様にそっくりだー( ゚□゚)とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月4日 2時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - うわー!杏寿郎と夢主ちゃんが、大変なことになってる!\(゜ロ\)(/ロ゜)/とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月3日 21時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
roro(プロフ) - 始めまして!めちゃめちゃ面白くて何回も読み返しました!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年4月3日 2時) (レス) id: 66099f3f1d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月3日 0時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おさかなだいすき | 作成日時:2020年3月24日 15時