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佐野「何を言い出すのかと思えば、ふざけたことを……」
舜太「そーだそーだ！」
佐野「俺がお前らの仲間になったところで、俺に何の得がある。そもそも俺はお前の親の仇じゃなったのか？」
仁人「確かに私は……お前が過去に行った狼藉を、許すことができなかった……。
父を殺し、母を殺し……
その憎しみは、誰に何を言われようと、いつも心のどこかにありました……
けれど、あの子らを見つめる勇斗の眼差しは、昔私と一緒に過ごした時と、何も変わらなかった……」
佐野「……」
仁人「だから私は思ったんです……。
私はもう一度、勇斗と共に過ごしたいと。
それに、あの子らもお前をあんなに慕っていたのです。
それは、お前の心の優しさあってのこと……。
きっと、十年前のあの日も、何か理由があったのでしょう。
今は話してくれなくとも、お前はいつかきっとそれを話してくれる……。
私はそう信じています。
ですから、私はお前に一緒に来てもらわないと困るのですよ。
まぁ、盗みはご法度ですがな」
舜太「そんな無茶苦茶な……」
仁人のその言葉に、佐野は何を言うでもなく、しばらく黙って考え込んでおりました。
やがて、佐野は口を開き、彼らにこう言ったのです。
佐野「俺を信じるか……。ふっ、面白い……。まぁ、今回の件でお前らに借りを作ったまま、というのも不本意だ……。いいだろう、一緒について行ってやる」
仁人「だ、そうですよ舜太殿」
舜太「あぁもぉ……何でこんなことに……」
太智「まあいいじゃん！強い奴が味方の方が心強いし！旅は多い方が楽しいし！」
舜太「俺の方が強いし！！それに楽しさなんて求めてないし！！」
なにやら勝手に進んでいく話に、舜太は必死の反論を投げかけますが、すでに他の三人の意見は固まりつつあるようでした。
これ以上旅のお供が増えるのは、他人と過ごすのが苦手な舜太にとって苦痛なものになるのは想像に難くないのですから。
勇斗「俺は佐野"
仁人「えぇ、よろしく頼みますよ」
太智「よろしくよろしく！」
舜太「はぁ……ちくしょう……もう好きにしてくれ……」
勇斗「どうやらお前が頭領のようだが、まぁ、せいぜい俺の足を引っ張るなよ」
舜太「な、何だとぉおお？！やっぱ俺こいつ無理！！」
そうして、新たに屈強の闘士、佐野勇斗を迎え入れ、彼らの鬼退治の旅は続くのでした。
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年7月13日 21時
