M!LKで桃太郎其の弐 (ページ47)

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佐野『お前らに……頼みがある……』

舜太『何だよ？』

佐野『あいつらを……町へ連れて行ってやってくれないか？』

舜太『はあ？何でそんなこと……』

佐野『あいつらは、皆親を亡くしたり、捨てられたりしたやつらでな。
俺が面倒見てやらなければ、野垂れ死ぬようなやつらばかりだった。
だから俺が、あいつらの親代わりになってやろうと……。
しかし、今日、俺のせいで、あいつらにあんな怖い思いをさせてしまった……。
俺が罪人であるがため、きっとこの先も今日みたいに役人や奉行が俺を追ってやって来るだろう……。
そうなれば、またあいつらに怖い思いをさせてしまう……。
もう、あいつらのあんな顔は見たくない……。
だから頼む。
あいつらを町で引き取ってもらう様に、お前らから頼んでやってはくれないか……？
俺が言っても、犯罪者の俺の言葉など、誰も聞いてはくれないからな』

仁人『いいので……？そうすれば、もう彼らに逢うことは難しいですよ……？』

佐野『いいんだ……それで……。
あいつらには、俺があいつらを嫌いになったと、そういう適当な理由をつけてやってくれ……。できるだけ、後腐れが残らぬように……』

舜太『何で俺達がそんなことしなきゃいけないんだよ！
俺達のもの盗んどいて！！』

佐野『……頼むよ……』

仁人『わかりました……』

舜太『お、おい……』

仁人『舜太殿……ここは言う通りにいたしましょう……。その代わり……私も後でお前に話があります……』

佐野『……分かった……』

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佐野の願い、それは孤児たちを町で保護してもらう手筈を舜太たちに頼むことでした。
自分のせいで、彼らに怖い思いをさせてしまったことを、佐野は悔いたのです。
罪人がこんなことを続けるべきではないと、そう思ったのです。

舜太「お前らの事なんか……邪魔で仕方なかったって……お前らの事なんか大嫌いだって！！そう……言ってた……」

子供「勇斗兄ちゃんが……そんなことを……」

それを聞いた子供たちは皆涙を流しておりました。
舜太もそれを見て、なぜだか心が痛んだのです。
けれども、佐野はきっとこれでいいと言ったことでしょう。
これで佐野の望み通り、後腐れなく、別れることができるのですから。

太智「さ、行こう……」

そして、泣きじゃくる彼らの背を押して、舜太たちは町へと向かったのでした。

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