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傷を負った舜太、太智、仁人の三人は、互いに体を支え合い、とある場所へと赴きました。
そこは、仁人が避難させた孤児たちのいる場所。
彼らもまた、身を寄せ合いながら、鬼の恐怖に身を縮めておりました。
仁人「皆さま、無事でしたか？」
子供「お、おらたちは大丈夫……。勇斗兄ちゃんは？」
孤児たちは辺りを見渡しますが、親兄弟のように慕っていた佐野の姿がないことに不安の表情を隠せないでおりました。
太智「大丈夫。無事だよ。今はここにはいないけど……」
子供「どこにいるの？おらたち、早く勇斗兄ちゃんに逢いたい！」
舜太「お前らが行くのはあいつのところじゃない……」
子供「え？どういうこと……？」
太智「皆、今から町へ行くんだ。そこで、皆一緒に暮らすんだよ……」
あまり晴れない表情で、太智は彼らにそう説明しました。
けれども、子供たちは納得いかぬ顔。
彼らにとっては、そんなことよりも、早く佐野に逢いたい気持ちの方が大きいのです。
子供「そんなのいいよ！それより、勇斗兄ちゃんはどこ？！」
仁人「……。町に行けば、今よりもっと良い暮らしができます……」
子供「勇斗兄ちゃんもそこにいるの？」
仁人「……それは……」
はっきりしない表情を浮かべ、仁人達は何と言って良いのやら、悩んでいる様子でありました。
子供「勇斗兄ちゃんがいないなら、おらたちそんなとこに行かない」
太智「だ、大丈夫！あいつがいなくっても、ちゃんと、ご飯も寝るところもあるから！だから……」
子供「やだ！！勇斗兄ちゃんと一緒じゃなきゃ嫌だ！！」
駄々をこねる子供たちを前に、舜太は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、こう彼らに告げたのです。
舜太「わがままばっかり言うな！あいつはもう、お前らの面倒なんて診たくないって言ってんだ！！お前らのせいで、自分が食いっぱぐれるって……そう言って……。
だから、お前らは邪魔なんだとさ！！わかったら町へ行くぞ！！」
子供「え……そ、そんな……。勇斗兄ちゃんが、そんなこと言ったの……？」
舜太「……あ、あぁそうだよ……。あいつがそう言ったんだ！！もうお前らの……顔も……見たくないって……！！」
もちろん、本当はそんなことは言っておりません。
佐野が舜太たちに頼んだ願い、それは―
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年7月13日 21時
