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『受け継がれた命は、決して終わることなく、永遠に廻り続ける。その為に、私たちは生きているのです。だから私は、その為に生きとし生ける人の命を救いたい』
『これ以上あいつにおびえて、死んだように生きて、おいらのお父やお母やこれまで喰われていった人たちみたいに、無駄な犠牲を出し続けるなんてもうたくさんだ!』
『舜太……。お前は強い子じゃ……。わしらがいなくなっても……いつまでも……そのままのお前で……いておくれ……。強く……正しく……生きて……おくれ……』
舜太「強く……正しく……それって……どういう意味なんだよ……教えてよ……お婆さん……」
けれども、振り下ろされた刃は、人質の寸でのところで止まっておりました。
それ以上振り下ろすのを
舜太「ぐはあ!」
帝「やはり人間よ……。同族を斬るのに
舜太「あっ……ぐ……」
深々と突き刺さった爪は、かろうじて舜太の心臓を免れていましたが、痛みで意識が吹き飛びそうです。
その前に足掻きの一撃を食らわせる為、再び刀を振り上げますが、その手も鬼の太い手で押さえつけられ、もはや舜太は身動きが取れません。
舜太「ぁ……く……くそ……」
帝「このまま貴様の体を引き裂いてやる」
鉄よりも硬い鬼の爪はまさに刀も同じ。
舜太の胸を貫いたまま、体を引き裂いていきます。
舜太「がああああ?!」
身を裂かれる激しい痛みで悲鳴を上げる舜太の目に、一瞬、鋭い何かが眼前を過ぎ去ったような気がしました。
そして、どすっという鈍い音とともに、鬼の悲鳴も聞こえてきたのです。
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作者名:milkssss | 作成日時:2020年7月12日 18時