M!LKで桃太郎其の壱 (ページ5)

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この胸騒ぎは何だろうか。
いつもと違う森の雰囲気や、空の様子。
舜太は何度も転びそうになりながらも駆けました。
そして、彼は自分の育った家に辿り着いたのです。

舜太「え………」

けれど、そこで彼を待っていたのは、あまりにも悲惨な光景でした。
家の壁は崩れ落ち、庭の畑は荒らされ、そして、その庭先で、お爺さんが血を流して倒れているのが見えたのです。

舜太「お爺さん！！」

舜太は急いでお爺さんに駆け寄り、その体を抱き起しました。
けれども、彼は舜太に何も答えてくれません。
だって、彼の体は真っ二つに切り裂かれ、すでに息絶えているのですから。

舜太「お、お爺さん……！返事してよ！！ねえ……お願いだから……」

いくら呼び掛けても、お爺さんは静かに目を瞑っておりました。

舜太「お婆さんは……」

動かない血まみれのお爺さんを優しく地面に寝かせると、舜太は崩れ落ちた家の方へと駆けました。
瓦礫をかき分けて、慣れ親しんだ家だった場所をくまなく探します。
すると、一本の柱の下から、細くて白いしわの入った腕が覗いています。

舜太「お婆さん！！」
　