第1章 列車に乗る前に１ ページ5
そういって差し出されたのはモフッとした栗色のフクロウだった。
「…。これ、私にですか？」
「もちろんでございます。お気に召しませんでしたか？」
「とてもうれしいです!こんなにきれいなフクロウ今まで見た事ない！」
「そうですか。良かったです。」
そう言って執事はまた微笑む
執事。否、バトラー、トルテ・マルセイユ。通称トルテ。
彼は21歳に若くしてアンテノーラ家に仕えることとなった21代目執事である。
今は26歳。
アリアの専属執事で、アリアの父が外出しているときは彼女の身の回りの事をこなしながら家庭教師もしている。
ブロンドの髪の色に凛々しい顔立ち。きりっとした目の中にはやさしさと鋭さが。
一見、世に言うイケメンだ。
しかし、彼は自分の恋愛事情もなんのことなくアリアに使え、こうして5年間アリアを見守り続けてきたのだった。
だが、そんな生活ももうそろそろ終止符を打つ。
ホグワーツは全寮制。
帰ってくるのはホントにわずかな日数だけだ。
正直、アリアは自分がいない間にトルテがこの家を去っていってしまうのではないかと心配だった。
一時期は兄のように慕っていたこの執事。
アリアは何気なく兄とトルテを重ねていたのだった。
昔聞いたことがある。
「トルテ〜」
「何でしょうお嬢様。」
「トルテは私がいなくなったらさみしいかな。」
「おそらくさみしいでしょうね。お嬢様はどこかへ行ってしまわれるのですか？」
「行かないと思うよ。」
「ほう。」
「だってね、お父様を一人にしたらそれこそさみしいと思うの。
…それにね。トルテもさみしいんでしょう？。いるよ。私は。ずっと。」
と。
正しくはトルテがいなくなるのが嫌だったのは私だ。
だって、もう二度と兄のような存在をなくしたくなかったから…。
「トルテ。」
「何でしょう。」
私は家に向かう馬車の中で聞いた。
「トルテはさ、私がホグワーツにいってもいなくならない？アンテノーラ家を去らない？」
おそるおそるだった。
「もちろんでございます。わたくしは貴方様の執事であると同時に旦那様の執事です。アンテノーラ家の21代目執事の名に恥じない行いをすることが所存でございます。」
「そう。…良かった。」
「あぁ、さっきのフクロウね、」
「はい。」
「ファンツ って言う名前にしようと思って。」
「いい名前だと思います。」
「そう？ホントに？(笑。」
「ええ。アリア様は人とは一味違うセンスをお持ちで。」
「それほめてるの？(笑」
「もちろんでございます。」
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ふたりぼし。(プロフ) - 千華さん» ありがとうございます！更新できてなくてすみません…。また近々更新する予定です。これからもよろしくお願いします（＞＜） (2013年8月27日 22時) (
レス) id: 1b3452da1d (このIDを非表示/違反報告)
千華(プロフ) - 応援してます♪面白かったです♪ (2013年8月23日 22時) (レス) id: 70eff55ff6 (このIDを非表示/違反報告)
マコト(プロフ) - そうなんですか。応援してます＾＾ (2013年4月15日 10時) (レス) id: 97ac66d39f (このIDを非表示/違反報告)
ふたりぼし。(プロフ) - うーん、ドラコですね。 私がドラコが好きなので。 (2013年4月14日 22時) (レス) id: 0f448d8be5 (このIDを非表示/違反報告)
マコト(プロフ) - 更新頑張ってください！ちなみに、オチは誰ですか？ (2013年4月14日 18時) (レス) id: 97ac66d39f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふたりぼし。 | 作者ホームページ：http://20000401-0088.jimdo.com/
作成日時：2013年4月14日 18時
