第3話 ページ11
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一難去ってまた一難とはこの事。
目の前ではマネージャーは募集していないと言われているのに一向に退かず、1点に黄色い歓声と甘いソプラノのお誘いを浴びせる女子達の姿があった。
は、何のこれ?アイドルの握手会?アイドルでもいるの?部活見学だよね?耳痛いんだけど。
さっき色々あったせいか私たちは多分バレー部部員、女子軍団、私たちと大勢の女子を挟むこととなった。おかけでこの状況を把握しかねている。
What?と混乱している私に国見がそっと耳打ちした。
「バレー部部長の及川さんのファン。ほら、あそこに茶髪の人がいるでしょ」
国見が指さした方にはふわりと揺れるセットされた茶髪が。生憎そのご尊顔はスタイルの良い女子に丁度隠されて見えなかった。
少しの間その光景に唖然としていたが、はっと我に返る。
そうだ。優香の幼なじみ。
同じく唖然としている優香の肩を叩き、「優香の言っていた幼なじみって誰?」と耳打ちする。
優香は「えっと……」と視線を彷徨わせるが、172cmの私に対し、163cmの優香。女子にしては高めの私でさえ向こうの部員が見えないのに、優香が見えるはずも無く、困ったように眉を下げて「……分かんないや」と答えた。
そりゃそうだよね。
よく見たら女子の中には2年や3年らしき人も意外といるようで、そのなか間を縫って前に行くのは何となく怖い。
180cmぐらいありそうな国見に行かせることも考えたが、国見も見てくれだけは良いので二の舞になることは確定だ。
せめて、部員がこっちの存在に気づいてくれればなーと思っていると「おい、優香じゃねぇか」と遠くまで通るしっかりとした声が優香の名前を言った。
まさか、と前を見ると声の主はさっき見た女子達を追い返している人だった。
さっきまで一心に部長に向けられていた視線が一斉に集まる。最初は国見。次に私。最後に優香に視線が集まったとき、女子の視線が完全に敵意のものに変わった。
ここにいる女子はクラスメイトのように優香の美貌に酔うことはなく、純粋に優香のことを敵として見ている。
そのことにひどく吐き気がした。
私は優香を隠すように前に出る。優香1人にこの敵意の視線を向けられるのは余りにも酷すぎでは無いのだろうか。
「あれ、優香じゃん!来てくれたんだ! 」
この状況に気づいていないのか、辺りに響き渡る能天気な明るい声。嗚呼、先輩だろうから謝っておきます。ごめんなさい。
そして馬鹿。
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ぴよこ(プロフ) - モモさん» そうですね……詳しくは言えませんが勿論ございますよ^^どういったオチを迎えるのか、それまでこの作品を見守って頂けると嬉しいです (2023年3月19日 17時) (レス) id: 58596194ea (このIDを非表示/違反報告)
モモ - ぴよこさん» えっと、どっちもです!わかりにくくてすみませんm(__)m (2023年3月19日 13時) (レス) id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - モモさん» お気遣いありがとうございます。とても嬉しいです( *´﹀`* )まだ本調子ではありませんがその内溜めていた分の話を更新しようと考えています。オチについてですが、誰オチかということでしょうか?それともハッピーエンドとかのそういうオチでしょうか? (2023年3月18日 18時) (レス) id: 58596194ea (このIDを非表示/違反報告)
モモ - お大事にしてください。この作品、大好きです!一つ、質問いいですか?オチってあるんですか?図々しくすみませんm(__)m (2023年3月18日 15時) (レス) id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよこ | 作成日時:2023年3月2日 22時