19話 ページ19
放課後。
あの後ひなたくん達には、なんで居なかったのか、は何も聞かれなかった。
「？」
「ううん、なんでもない。パン、ありがとうね」
手を握っていない反対の手の方に光くんからもらったパンが何個もはいったビニール袋。
光くんからもらったので2人で同じずつわけようと言っても全部あげるんだぜと言われた。
でもなんか申し訳なく感じる。
「ね、ねぇ！公園に行こうよ…。お腹…すいちゃったの…一緒に、食べよう…よ…」
つい小声になってしまう。
光くんが何も反応しないことに不安を感じる。
私がいちいち事細かに不安を感じるのは、光くんがはじめての彼氏だからももちろんある、それ以上に友達ですらこの学校に来るまでほとんど居なかったため余計不安になっているのだ。
人の顔色ばかり伺っても上手くいかない。それは今でもそうなんだろう。でもそれをこの学校の人は優しいから何も言わない。裏では…など色々黙っていれば黙っている程、一人で考える時間があればあるほど余計不安になる。まるで暗闇の中に一人置き去りにされたかのように。
あまりにも長い間反応がないため不安になってちらっと光くんの方を見るとうずくまっている光くんの姿があった。
「光くん！大丈夫！？」
身体を揺らすと光くんは笑っていた。
「え…。？」
「A、だいだーい大好きなんだぜ！」
と言いながら私の身体を抱きしめた。
「私も好き…」
そう返すと「俺の方がもっともっともーっと大好きなんだぜ！」というかわいい反応が返ってきた。
光くんに負けじと「わ、私も！私の方がもっともっともーっともーっと大好き！！」と声を張る。
保健室帰りの時のように目があい一瞬時間が止まったかのような感覚に陥る。
少し、少しずつ光くんの顔が近づいてきて、"そういう"雰囲気になる。
いつもの笑顔の光くんとはちょっと違う。
同じ歳でもまるで弟のような光くんとは違う。
こんな時に思うのは光くんにも失礼だし雰囲気にも失礼だなと少し冷静な自分も居る。
"天満光を私だけのモノにしたい"
はじめてこんな感情が芽生えた。
冷静な自分が居ても本来の私自身の心臓はばくばくなってマンガにもよくある、うるさいくらいに心臓が動いている感覚があり、頭の中では真っ白になるくらいドキドキしている。
目をつぶった方がいいのか、そのままな方がいいのか、人は居るかどうか。感情はぐるぐる回っている。
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あいらいす(プロフ) - コメント失礼します！わたしはみつる推しなのですが、なかなかメインのモノがなく…こちらやっと見つけて読ませていただいたのですがとてもキュンキュンしました(*´-`*)めちゃくちゃ感動してます…！続き楽しみにしてます！頑張ってください☆ (2016年5月7日 23時) (
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作者名：柚日 | 作成日時：2016年4月23日 0時
