土方さんが…っ! ページ28
「姉さん、これぐらいで行けるでしょう。何なら山崎までドボンですぜィ」
土方さんが居ない今日、穴を掘る作業で午前中は潰れてしまった。留守の間、頼むと言われただけの私はこのまま何もなく平凡な一日を過ごすとなれば
本当に何もすることがない。
「疲れたー!!もう、一ヶ月分くらいの体力を使い果たしたよ!」
「わー…カスみたいな体力でィ」
「何て事言うのだ沖田氏」
寂しそうにしているんで、土方さんの代わりですぜ。と親指を立てて言う沖田くん。
いやいや、もう本当、気を遣わなくていいから。そんなの要らないから。
むしろ、罵られなくて平和ですけど!!!
「お腹空いた!!ご飯食べよっ!」
「そう言えば姉さんと飯食うの久々でさァ」
隣に沖田くんが居るが、やっぱり何か違う。土方さん、早く帰ってきてください。
そんな思いとは裏腹に
夕方になってもまだ土方さんは帰っては来なかった。
遠くの空の色が、次第に紫色になっていく夕方、薄いながらにチラチラと見えてきた星を見上げながら、私は玄関でぼーっと座り込んで土方さんを待つ。
私はいつから忠犬ハチ公になったのだと自分に思ってしまったが、まだ土方さんの姿は門の向こうからも見えなくて、少し心配になった。
「姉さん、大変ですぜィ!」
屯所の中からバタバタと足音を響かせて沖田くんが私の元に駆け寄ってきた。
「どうしたの?」
「土方さんが……」
真剣な顔で言う沖田くんはいつもと違う顔つきをしていた。
私はじっと沖田くんを見て次の言葉を待った。
「土方さんが……っ!」
「何ぃいい!!土方さんが死んだって?!」
「いや、そんな事言ってやせんぜ」
「あ……うん。ごめん。ちょっとだけ早とちりしちゃった」
「誰が死んだんだコラ!!!屯所の外まで聞こえてたわ!!」
門の向こうから聞こえた声は、私が待ち望んでいた土方さんの声だった。
「帰って来たと言いたかっただけですぜ姉さん」
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桃乃(プロフ) - にいなさん» ご指摘ありがとうございました。今、確認して訂正致しました!ありがとうございます! (2017年6月10日 15時) (レス) id: cb45921388 (このIDを非表示/違反報告)
にいな(プロフ) - 夜兎が、八兎になってますよ (2017年6月10日 14時) (レス) id: 6963555a72 (このIDを非表示/違反報告)
桃乃(プロフ) - ピピコさん» わぁああ!ありがとうございますっ!誤字脱字が多いので指摘していただけなかったらそのままでした(^q^)何回打っても副長補佐が出てこなくて、毎回打ち直ししてました( ;∀;)基本、私の作品の土方さんは可哀想なので慰めてやってください( ;∀;) (2017年6月1日 23時) (レス) id: cb45921388 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - コメント失礼します!早速読んじゃいました!このお話も面白くて好きです!土方さん可愛い…!!あと、9ページの沖田さんの台詞で『副長補佐』が『復調補佐』になってます!大きい文字だったから気になっちゃって…!すみません…!!応援してます! (2017年6月1日 23時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
桃乃(プロフ) - なっちゃんさん» ありがとうございます!!下ネタを入れてしまって今頃後悔をしていますが、今回はケンカップルを目指しております。いつ、完結するか解りませんが末永くお付き合いくださいませ! (2017年6月1日 8時) (レス) id: cb45921388 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃乃 | 作成日時:2017年5月25日 0時