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8: t ページ8

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「…え?」



店員は俺の顔を見るなり、戸惑った表情になった。その表情を見て、まさか人違い?なんて思いつつ俺は声をかけた。




「お前、ななこだろ…?え、違う、の?」




彼女の手首を掴む俺の手の力が
どんどん弱くなる。


…え、ななこじゃないの?
それとも久しぶりだから俺が誰かわからないのか?


いろんな考えを巡らせながら
9年前と何も変わってない容姿とピアスを見つめた。


俺には、ななこに間違いないという相当の確信があった。




「あの、すみません
私、ななこではないんですけど…」


「は、嘘、でしょ?
だって、ななこ、昔と何も変わってないし」




いつもなら何事にも未練なく、しつこさもない俺だけど、この時だけは何故か諦めがつかなかった。


けど、段々と冷静を取り戻したからなのか、
9年の年月が経っているにも関わらず
あまりにも彼女の容姿に変化がないことに気づいた。


ななこは俺と同級生だから
今、30才のはず。


けど、俺が引き留めてる子は
どこからどう見ても大学生だった。
俺とななこが出逢ったその時のままの姿。




「あ、ごめんなさい、急に引き留めて
知ってる子にそっくりだったからつい…
本当にすみません」



俺、見ず知らずの人に何やってんだろ、そんなことを思いながら彼女に謝り、手を離した。
すると、彼女は首を横に振った。



「いや違うんです、あの、私…
あなたの仰ってるななこ、の妹だと思います」



「…は?」




思ってもなかったその発言に
俺は彼女を何度も見返した。

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 玉森裕太   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ももの木 | 作成日時:2020年2月7日 18時

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