さよなら ページ47
待ち合わせ場所に近付くにつれて
自然と足が重くなる。
｢A。｣
名前を呼ばれ顔をあげると梓がいた。
くみの後ろに隠れる。
くみ｢向かいのカフェで待ってるから。｣
何も言えず首を横に振る。
くみ｢大丈夫。なんかあったら私がぶっ飛ばす。｣
そう言って背中を押され梓の元へやると
くみはそのままカフェへ向かった。
梓｢A、ごめん。｣
A｢･････。それは、なんのごめん？｣
梓｢･････。俺、結婚してる。｣
指にはさっき見たリングが付けられていた。
外すのも忘れて来てくれたんだろうか。
A｢･････。｣
梓｢でも、Aが一番なんだ。
あいつとは別れるから。｣
その言葉を聞いた瞬間、頭を殴られたような気がして
一気に夢から覚めた感覚に陥った。
あんなに愛しそうに花束を渡していた梓と
それをとても幸せそうに受け取る彼女との光景が
あまりにも鮮明に脳裏に浮かんできたから。
３年間、嘘をつき続け
バレなければきっと、このまま嘘をつかれていたんだろう。
そんな梓の言葉には何の感情もわかなかった。
A｢もう、いい。｣
梓｢え？｣
A｢さよなら。｣
梓｢ちょっと、待って！｣
掴まれた腕を思いっきり振り解く。
梓｢A！｣
振り向いたらダメだ。
梓にすがりたくなる。
誰かを悲しませてまで掴む幸せが
本物の愛だなんて思っていない。
｢A｣
梓じゃない声に名前を呼ばれ声の方を見ると
くみが立っていた。
くみ｢やっぱり心配で来ちゃった。行こう。｣
くみの手を取りそのままその場所を後にした。
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chiiiiiii(プロフ) - まおさん» とても嬉しいコメントありがとうございます｡ﾟ(ﾟ⊃Д⊂ﾟ)ﾟ｡かなり励みになりました！これからも楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2015年6月8日 20時) (
レス) id: a66706f0ba (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 《君のことは それほど》の裕太くん 大好きでした。このお話の裕太くんは どうなっていくか 楽しみです。ドキドキ きゅんきゅんさせて下さい。前作同様 期待してまぁ〜す。(*^◯^*)。 (2015年6月8日 16時) (レス) id: 6ecce9a4dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chiiiiii | 作成日時：2015年6月7日 16時
