推しとは繋がらないはずでした『浦島坂田船』

51話 ページ2

あ｢離して｣







せ｢Aが質問に答えてくれたら離す｣









あ｢関わっちゃダメだって言われたから電話とかも出ないようにした、ほら、理由言ったでしょ？離して｣









せ｢直接会うなってだけの話やろ？電話とかLINEしたアカンとは言われてない｣








あ｢確かに言われてはないけど、関わるなって言われたら、LINEとかもダメでしょ？離してよ｣









せ｢嫌や、Aが俺の納得する理由言うまでは絶対離さん｣









あ｢話が矛盾してるよ｣









せ｢それはAやってそうやろ！都合いい理由つけてほんまは俺らから逃げてるだけちゃうんか？坂田に告られたんやろ？返事したんか？｣








あ｢せんくんには関係ないやん！｣









せ｢関係あるわ！俺やって…俺やってな｣








案外玄関先で大きな声で話してたからか、奥から母が出てきた。









母｢ちょっと、2人ともそんな大声出してどうしたの？｣









その時、せんくんの私の手を掴む強さが緩まった一瞬の隙をついて、私は逃げだした。







あ｢別に何も無いよ、私部屋戻るから｣








そそくさと逃げるように部屋に戻った。









あ｢逃げてるだけ…かぁ…｣









あの時、せんくんが続きに何を言いかけたのかは分からないが









確かにせんくんが言った通り、私は逃げているだけなのかもしれない

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