【QK】五重奏の鍵 (ページ9)

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イカページ9

火を起こした所まで戻ってきた。
結局水は手に入っても、肝心の野菜はみつからなかった。
今日の疲れぎどっと押し寄せて、放心状態。今は休んでいる。
ぼーっと海を見つめる。
もうそろそろ探索に戻らなければ。
「…ん？あれは…？」
海で鮮やかな黄緑色をした何かが漂っている。プラスチックゴミだろうか？気になって近づいてみる。

それはイカの形をしていた。

__見たことあるぞ。何処だったかな。
誰が持っていた…
また知らない誰かを思う。farmのヒントになるかもしれないから、早く思い出したいのだが…
「_____ッ！……くっ…！」

頭が痛い。また割れるような頭痛がする。
突然の酷い頭痛に頭を押さえていたら、バランスを崩して海へ落ちる。
急いで陸に戻ろうとした。頭痛なんてどうでもよくなった。
ただ、こんな所で誰にも見られず死にたくないと必死にもがいた。げほっと咳き込んで水を吐く。ちょっとだけ過呼吸で寝転がると、あのイカは離れていった。そして痛みが戻ってくる。
「いってぇ！」
とりあえず海から離れなきゃ。今ので服が濡れたから乾かそう。食料は後…
頭を回転させ必死になって考える。
火で暖まり、痛みが落ち着いたころにはイカの姿は無くなっていた。日が沈みかけている。海は夕焼けでオレンジに染まってる。

また何処かから声が聞こえる。

…エノキか〜」

…世の中ってのはそういうもん」

……任せといてね」

「…福良？」
また友の存在を思い出す。
あの、タレ目の…