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Iの大広間 ページ35
白いプレートに“Idea”と表示された。
扉をくぐればそこは本当に始めのプラネタリウムで、天井に星が輝いていた。
綺麗だなと見上げていると一つ、また一つと星が消えていく。
それは自分の消えていく雑学を表しているように見えて、また恐怖に苛まれる。不意に『選ぶべきは始めの扉』という文が頭をよぎった。
まさか、と思って黒くて重い両扉に急いで駆け寄ると、白いプレートが付いている。
「…ここは確かideaだったな」
アイデア・・・発想、思いつくこと。
なるほど。
「今、思いついた事があるから提案するよ。
このドアの名前、“reality”(現実)なんて…どうだろう」
_カチャ…
『そう…それが貴方の答えなのね』みたいなことを言われた気分になった。そのくらい静かに鍵は開いた。
ようやく出られる。そう思った。
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作者名：MOKKA | 作成日時：2023年8月9日 15時
