孤独な数字達 ページ26
あの花畑が漢字の部屋なら、ここは数字の部屋とでもいうべきだ。ここは白い空間にオセロのような床があった。
変な箇所があるとすればその床に数字が書いてあることだろう。
____『There're lonely numbers』
”彼らは孤独な数字”____
孤独な数字、という言葉を反芻する。
「…素数が孤独な数字…ね。」
奇数、偶数、素数、少数・分数…
奇数も割り切れない、1残るから孤独ではありそうだが…素数のほうがもっと孤独だ。
自分のことをわれる人はいないのだから。
数字はどこまで続くのか、一度数えてみる。1・2・3・4…
_______
横に100。縦も100。床のパネルは1万まで数字があり、また1に戻る。そして素数を踏むとスタートに飛ばされる。
「次の扉までは…300枚はありそうだな」
素数を避けながら進んでいく。…いや、俺は今偶数の上しか歩いてない。これが賢いやり方です。
874、972…えーと扉はあそこか。
____________________
…扉までたどり着いた。
「そういえば、鍵はどうなんの?」
やるべき事は無かったからいいのだろうか。ドアノブを押し出してみる。ドアはすんなりと開いた。
…結局、ここで誰かを思い出すことは無かったのだが。『思い出せなかった』という考えが間違っていることに気付くのは、まだ先の話。
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作者名:MOKKA | 作成日時:2023年8月9日 15時