＊ ページ8
「きゃっ…！これ、チーノ、血！？」
目の前のショッキングな光景に、近くにいたチーノについ抱きついてしまう。
かたかたと震える私。正直血なんて見慣れているが、こんな暗い倉庫の、しかも割と赤黒い血飛沫に気が動転してしまった。
「A、どうする、これ」
彼も驚きを隠せないのか、喋り方がいつもよりもたどたどしい。
しかし私も驚きで体が固まり、彼から離れることが出来ない。
「どうするってこれ、とりあえずトントn
「めっちゃ怠いわー。これ拭くん。」
………え？」
さっきまでビクビクしていた彼は一体どこへ。
はぁ、とため息をついてどこからか取り出した雑巾で床を拭き始めた。
「え、ちょ、チーノ！勝手にやっていいの！？」
「勝手って掃除に許可っているん？」
「じゃなくて！これ血だよ？流石に誰かに言ってからじゃないと…」
「あぁ、確かにこれは『血糊』やな。」
………理解するのに1分程経った。そうか、これは血糊か。え、だったら最初の反応…
「騙したわね、チーノ！！」
「あははwだってAの反応おもろいんやもん」
そうだこいつは詐欺師だった。人にイタズラを引っ掛けてはその反応を楽しむ、とんだ悪魔だった。全くこいつといると疲れてしょうがない。
それに…と何故か彼は続けた。
「それにAが驚いた時の可愛い反応見たかったんや。」
「…！！」
こいつはこうやって人を誑かすのが本当に上手い。現にそんな彼にベタ惚れしてる私がいるんだから。私が彼の事が好きだという事は彼にバレてる。だから彼には、私が彼の瞳が見えてドキドキしている事もバレているのだろう。
「…探し物は見つかったの？」
「最初から何も探しとらんで？」
「だったら私の探し物を手伝ってくださる？探偵さん。」
喜んで、と言った彼の口角が上がってるのを見て、今年のハロウィンが波乱万丈になる事を確信した。
「せやったら、お代は何くれるんや。」
ニィッと不敵な笑みを浮かべた彼は私に問う。
「……そうね、1人ぼっちの探偵さん。……助手にでもなってあげましょうか？」
そう私が問い返すと彼は一瞬目を丸くした後、その瞳を伏せ、呟いた。
「こないにべっぴんな助手は困るわ…」
顔を背け、私に聞こえないようにしたようだが、しっかり聞こえている。耳も赤い。
…ちょっぴり期待してもいいって事ですか？
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霞花(プロフ) - ひかりさん» オリジナルフラグは外れております。冒頭部分の注意書きもしっかり表示されていますよ (2020年5月10日 20時) (
レス) id: 6d56430d02 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり - オリジナルフラグをお外しください。ルール違反です。 (2020年3月24日 13時) (レス) id: 8c2e85674d (このIDを非表示/違反報告)
霞花(プロフ) - ブンブンさん» ありがとうございます！(蘇生) (2019年10月24日 18時) (レス) id: 8895aebc7a (このIDを非表示/違反報告)
ブンブン(プロフ) - 尊い…(遺言) (2019年10月21日 22時) (レス) id: 4a511d68cf (このIDを非表示/違反報告)
霞花(プロフ) - ラピさん» そう言って頂けるのは光栄です！ありがとうございますっ。 (2019年10月14日 22時) (レス) id: 356bccad88 (このIDを非表示/違反報告)
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