＊ ページ35
「……ごめん、私がもっと素直になってればここまで怖い目に合うこともなかったと思う。私がシャオロンの優しさに甘えて酷い事も言った。本当にごめん。」
私からの謝罪にシャオロンは目を丸くした。
パタパタと慌てている姿はなんだか可愛らしい。
「お、俺も…ってか(名前 )はアイツに騙されていただけで全然悪くないやん！寧ろ俺ら鬼の揉め事に巻き込んじゃって…ごめんな。」
もう一度強く抱きしめてくれたシャオロンはやっぱり暖かくて、お日様の匂いがした。
「A……しっかり伝えておくな。俺はAの事が好き。鬼としてのお気に入りじゃなくて、人として…ずっと俺の隣におってほしい。素直になれないお前の気持ちも全部受け止めたるから。……だめ？」
素直になれない私の気持ちを本当は知ってくれて、
喧嘩しちゃっても私のことを守ってくれた。
そんな彼が…私は……
「…うん、もちろん」
「なんや嘘つかんで言えるやん」
泣きそうな笑顔で彼は私の事を深く抱きしめてくれた。
「そういえば、」
私は今シャオロンにおぶられて彼の家に向かっている。さっき締め上げられた傷や跡が残ってしまい、そのまま家に帰るのは色んな意味で危険だとシャオロンが言ったからだ。
「なんでさっき、将さんは鈴の音を聞いて動けなくなったの？」
彼の家の勝手口に向かう途中、私は思い出したように彼に問う。
「あぁ。それは鈴には"魔よけの効果"があるんよ。
勿論人に害成すやつ以外には効果ないけどな。」
だからここにつけたんよ、と言ってシャオロンは私の髪についているリボンを外した。
彼がそのリボンの結び目を弄ると
ﾁﾘﾝ
さっき聞いたのと同じ高さの鈴の音が。よく見ると結び目に隠れるように鈴がついている。
「この音があったから俺はAの場所がわかったし、アイツの動きも封じ込めた。これ、俺がお前の友達に預けてたんよ。お前にあげてくれって。」
私に変な奴が近づいていることを薄々感じ取った彼は私にバレないように根回しをしてくれていたようで。
つくづく彼のお陰だな、と私は思った。
「………ねぇ、シャオロン」
「んー？」
「
「………俺も。Aのこと一生守るからな！！」
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