線引き ページ49
潰れかけの廃工場に砂埃がたち、ミシミシと音を立てる。
その中心で暴れる2人…
「姫はどこですか？」
「俺を倒したら教えてあげまさァ」
繰り出される予測不能の斬撃、急所をついたと思ってもすぐに躱される。
…なんかこのヒリつき、久しぶりだ。
「大丈夫ですかィ？心ここにあらずな剣筋でさァ
あたっても痛くなさそうでィ」
「…、そっちこそ戦闘疲れ？軸ブレてますよ」
ｶﾞｷﾝ!
互いの力が噛み合って、刃がギリギリと音を立てる。
このままどっちが折れてもおかしくない。
「白に染まるなと無責任なこと言っといて、自分は数週間行方不明… 俺ァあんな無表情女じゃなくて、あんたと戦いたかったんでィ」
「このままどちらかが死ぬまで続けるつもり？」
「はは！いいですねィ、俺が地獄に連れてってあげまさァ」
次の瞬間、足を払われて体勢を崩される。
振り下ろされる刀が目に入り、咄嗟に顔を避けたら横にずどんと刀が突き刺さる。
…あっぶねー…
「女の顔狙うなんて」
「あんた女扱いされるの嫌いなくせに」
顔の左には沖田くんの手、右には刀。
どうやってこの状況から抜け出そうと考えていると
「…何で避けるんでさァ」
頭上から聞いたことがない声が聞こえた。
「そりゃ…攻撃されたら避けるでしょ」
「そっちじゃねぇ。何で俺を避けるかって聞いてるんでィ
人の心にはズカズカ入ってきて勝手に救っておいて、俺があんたのことを少しでも知ろうとすると離れていく。
あんたと語り合おうと思ったら、これしか思いつかなかったんでィ…」
よく聞かないと聞こえないほど小さい声なのに、頭の中で大きく響く。
なんで…彼らはこうも…
それを誤魔化したくて、彼の襟首を掴み、押し倒す。
突き刺さった刀を抜き、彼の首元に近づけた。
「…っ、そのまま殺すんですかィ？」
刀が震える。
「…なんで、私に固執するんですか」
声が震える。
「私はあなた達に嘘をついた。見廻組だってことを言わずに、佐々木があなた達を潰そうとしていることを隠して、私は逃げた。
…以前の関係に戻れるわけないじゃないですか」
「それを決めるのは俺で、あんたじゃねぇ」
地を這うような声に思わず体が固まる。
怖くない。けど自分の核に触れられているようで恐怖を感じた。
「…あんたはそうやって線引きして自分を護ってきたんでしょうけど、そんな線俺ァ超えてやりまさァ。ドS舐めねぇでくだせェ」
まだまだ続くぞ続編宜しくゥ！！→←▶ドSレスラーがあらわれた
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あいうえお - 更新待っていました！！ありがとうございます！！これからもお身体に気をつけて頑張ってください！ (2023年3月21日 4時) (
レス) @page1 id: 138a1201b5 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです❤️この作品とても大好きです、応援しております🫶🏻 (2023年2月1日 23時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - うわあ、、めっちゃよかったです！！更新まってます (2022年8月10日 18時) (レス) @page33 id: f0d2a098e4 (このIDを非表示/違反報告)
rairis - 「出会い」のところにチセという名前があるのですが…… (2022年8月6日 2時) (レス) @page12 id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - ピピミさんの降谷さん作品が好きすぎて飛んできました！銀さんの作品でこんなにものめり込んだの初めてです！素敵な作品をありがとうございました！！ (2022年3月29日 0時) (レス) @page33 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピピミ | 作成日時：2018年9月22日 9時
