検索窓
今日:47 hit、昨日:285 hit、合計:711,236 hit

過去の感情こんにちは 銀時side ページ49







数年ぶりにAと飲んだ酒は、なんというかぎこちない味がした。

何を話したらいいか分からねぇ、けど知りたいことがいっぱいで腹の探り合いをしてるうちに


「仕事で充実してるのもいいけど、アッチの方はどうなんだい?」


そうババアがAに聞いた。


「そ…」

れ、は俺が1番聞きたかったやつぅ!!
アッチとは完全に恋愛方面であるのはきっとこいつでも分かってるだろう。

仕事の話を聞いても、まったく見えてこないAのプライベートな部分を知りたいって思うのは不可抗力のはず…

てか彼氏いないよね?大丈夫だよね?
ここに来る時点でいないって思っていいよね?

と若干ドキドキしながら返答を待っていれば




「はは、もう全然ですよ」



…てことは彼氏無し、でいい?

その返事にホッとする俺がいた。
ん?ホッとしてる…?


「なんだいそりゃ。あんたそんな別嬪な顔してそりゃあ勿体ないって話じゃないか」

「いえ、お恥ずかしい話、今までそういうのをしている暇がなかったんです。寧ろどうやってしたらいいのか分からないまま成長してしまったようなもので…」


そう言って耳に掛かった髪をかける仕草をする。
それは、都合が悪い時決まってやってた癖で_____


それをじっと見ていたらバチッと目が合った。
よく分からない変な汗がぶわっと出る。けれどAはふっと笑うと


「それに、周りにはこういう男しかいなかったので」

“こういう”が指してるのは俺ってことでいいの?


「…あ゛?」

「はっ、違いないね。」

と笑うババアに青筋をピクピク立てる。
そんな俺をババアは軽くあしらうと、店の奥に入っていった。

…なんか要らん気遣いをされた気がする。




「いい人だね。」

「は?誰が?」と聞くと「お登勢さん」…と。
はぁ?ババアが?
疑問がいっぱいだったが、こんな柔らかい表情をしたAが珍しくて何も言えなかった。

お前、今その顔はずりーわ…と心の中で嫌味を垂らしつつ、


「今はどうなんだよ」

とさっきのアッチの続きを聞いていた。

「…今?」

「…今は、暇じゃねーのかって話。」

そう言うとあー、と言う。
いやまじ俺もどうかしてるよ。

こんなこと聞くつもり無かったのに、何に当てられたのか…

酒のせいか、久しぶりのこいつに惑わされてたのか




今なら分かる、さっきホッとした俺は___





「暇じゃないよ」






____昔、無理やり封じ込めた過去の俺だ。

両失恋→←絵に書いたクズ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (471 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1117人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 紅桜篇
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

睡魔 noa(プロフ) - 続き待ってますヾ(*´∀`*)ノ (2018年9月4日 20時) (レス) id: 4176890134 (このIDを非表示/違反報告)
八木楓(プロフ) - しゅき (2018年9月2日 21時) (レス) id: dbe5bf77f2 (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - あの、岡田以蔵ではなくて、岡田似蔵だと思います! えと、応援してます!!すっごく好きなんで!!頑張ってください!! (2018年9月2日 18時) (レス) id: 0ad6a2b0ae (このIDを非表示/違反報告)
アニオタ菌@葵 - 異三郎ですよ (2018年8月28日 19時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き気になります!更新頑張って下さいね! (2018年8月27日 11時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ピピミ | 作成日時:2018年8月24日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。