検索窓
今日:120 hit、昨日:77 hit、合計:711,636 hit

腹割って話そう ページ33

「おーい、ヅラ大丈夫かー」

「ヅラじゃな、い桂、だ…大丈夫そうに、見えるか…?」

「喋れてるだけマシだよ。」

危ない、マジで死ぬところだった。
笠と羽織を囮にして、岡田のスキを狙い、ヅラと一緒に暗い路地裏に逃げ込んだのはいいけど…

「ヅラ重いからあんまり体重かけないで。今体中痛いんだよ」

「無茶を言うな…こっちは腹を切られてるんだ…」

「腹だけじゃん。大丈夫だ。腸さえ出てなきゃ歩ける」

「いやそれもうウォーキング・デッドだ、か…ら…」


ガクッと肩にズシンと重みが増した。
は!?待て今ここで気を失うの!?
止めてよどこ連れていきゃいいかまだ決めてないのに!!


ぬるりと自分のものでない血が着物に染みていくのを感じる。
どうやら冗談は言ってられないようだ。

ああーもう、

「岡田ぶっ殺す」









「おーい、生きてるか?」

「見てのとおり、ピンピンしてる。俺の回復力を舐めるんじゃない。」

「お前私がいなかったら死んでたのにいい気なやつだなおい」

バシン!と先程包帯をまいたばかりの腹部を殴ると、うぐっと鈍い声が聞こえた。

「ひ、酷いぞA…相変わらず、手厳しい…」

「何頬染めてんだよ。」

「ところでここはどこだ。」

「私の部屋だよ」

「なんと…これまた年頃の女にしては酷く殺風景な」

「うるせぇ分ぁっとるわい!」

「いやしかし、また会えて嬉しいぞ。まさかお前に男装趣味があったとは意外だったが…」

「違うからね。お仕事だからね。」

「そ、そんな仕事をしてるのか!!お母さん許しませんからね!」

「あー!!こいつ、あのままほっとけばよかったーー!!」

1つしかない布団取られたし、こっちも中傷なのに

「そんなこと言うな!久しぶりに添い寝しよう!」

勿論全力で殴った。


「…はぁ、じゃあ本題に入ろう。
ヅラ、お前も岡田のこと追いかけてたんでしょ」

「ヅラじゃない、桂だ。ああそうだ。俺も人斬りの噂を聞いてな」

「その時私を見つけて先回りをして、自分を犠牲にした」

「…違うぞ。あそこにいたのはたまたまだ。それにお前だとは気づかなかった」

「よく言うよ。ほんとさぁ…」


お節介にも程がある。


「ほんと、もうちょっとで死ぬところだったよ。これがあったから良かったけど…」


そう言って例の本を渡すと、血を吸って黒ずんだ表紙を撫でながら


「…かたじけない。またしても先生に守られてしまったな」



…そんな申し訳ない顔をするなら、私にもしろよ。

誤解の連鎖→←諱



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (471 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1116人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 紅桜篇
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

睡魔 noa(プロフ) - 続き待ってますヾ(*´∀`*)ノ (2018年9月4日 20時) (レス) id: 4176890134 (このIDを非表示/違反報告)
八木楓(プロフ) - しゅき (2018年9月2日 21時) (レス) id: dbe5bf77f2 (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - あの、岡田以蔵ではなくて、岡田似蔵だと思います! えと、応援してます!!すっごく好きなんで!!頑張ってください!! (2018年9月2日 18時) (レス) id: 0ad6a2b0ae (このIDを非表示/違反報告)
アニオタ菌@葵 - 異三郎ですよ (2018年8月28日 19時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き気になります!更新頑張って下さいね! (2018年8月27日 11時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ピピミ | 作成日時:2018年8月24日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。