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センシティブ ページ31

カコン、カコン_____


下駄を鳴らす音が夜の歌舞伎町を不気味に響いていく。

佐々木に渡されたのは男物の着物だった。
なるほど、これで笠を深く被れば後ろから見たらヒョロめの浪士に見える。

この用意周到さも一周まわって腹が立つ。
本当にこれで岡田が連れるのか…






____カラン


「!!」


この下駄の音は、私のものじゃない。

さっ、と身を低くして、刀に手をかける。
殺気は感じなかった。ただの通行人か?
それとも…






「そこの者、何をしている」

芯の通った声に、どこかお堅い口調…
この声は聞いたことがある。


咄嗟に見られないように背を向け、刀を隠す。
水たまりから相手の顔を伺えば、やっぱりヅラだった。


立て続けに知り合いに会うとは…
あえて何も話さず、ヅラの様子を伺う。


「辻斬り…ではないようだな。だが男だろうとこんな時間に歩き回るのは少しおすすめしない。今すぐ帰った方が良い」

「…」

…相変わらずお節介だ。

どうやらヅラも辻斬りを探しているようだ。
最近、身を潜めていると噂で聞いていた。正義感も相変わらずのようで

声を出す代わりに、一瞥してから歩を進めようとした。









「元気そうでよかった。」

「!!」


反射的に振り返る。
…だがそこには誰もいなかった。


「やっぱりバレてたか…」

なんて勘が鋭いんだ。動物か
はぁ、とため息を吐いてから隠していた刀をつけ直す。




「ねぇ、ヅラ」


そう呼んでも、あいつのお決まりの言葉は聞こえない。









…あれ。
なにかが、おかしい。

急に胸がザワザワする。
案外そういう所は私も動物波に感覚が鋭いらしい。


ヅラが通ったと思われる道を抜けた。


この先は、多分橋だ。川の匂いがする。









それと、血の匂い。


橋の上に、誰かが倒れていた。
周りには長い、黒い髪が…


まさか、


「ヅっ…!?」

叫びそうになった声を慌てて飲み込む。
月明かりでよく見えなかった。

その光る刀がなければ気づかなかったかもしれない。
ぎろり、とこちらに振り返る影。



写真と確認しなくても分かった




「…おやぁ?どうやら違う人が来たようだね」


あいつが巷で噂の人斬り、岡田似蔵だ。

諱→←お詫び



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睡魔 noa(プロフ) - 続き待ってますヾ(*´∀`*)ノ (2018年9月4日 20時) (レス) id: 4176890134 (このIDを非表示/違反報告)
八木楓(プロフ) - しゅき (2018年9月2日 21時) (レス) id: dbe5bf77f2 (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - あの、岡田以蔵ではなくて、岡田似蔵だと思います! えと、応援してます!!すっごく好きなんで!!頑張ってください!! (2018年9月2日 18時) (レス) id: 0ad6a2b0ae (このIDを非表示/違反報告)
アニオタ菌@葵 - 異三郎ですよ (2018年8月28日 19時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き気になります!更新頑張って下さいね! (2018年8月27日 11時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピミ | 作成日時:2018年8月24日 11時

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