【銀魂】口悪姉さん【坂田銀時】

夢現 ページ18

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夢はある意味、怖いところがあって
懐かしい場所だとしても、どこか違う世界のように見えたりする。

目の前に降りしきる雨
今私は何をしているんだろうと考えていると



『こんにちは』


『雨宿りしてもいいでしょうか』





たまに忘れてることをポンッと出してくるからこそ、末恐ろしいものである。






「…変な夢」




江戸は今日も快晴。
太陽が寝不足の目に眩しいのに、深い闇の中にいる気分。

てか暑い。
この制服かっちりしすぎてしんどい。

それに頭痛が収まらない。

ここ数日ずっとそうだ。
きっかけは高杉。でも原因は…


「あらAちゃん。どうしたんだい？辛そうな顔してるよ」

ふ、と顔を上げると馴染みのある団子屋の女主人が心配そうに見ていた。

私、知らずにここまで歩いてたのか…


「いえ…最近暑くて」

「ココ最近特にねぇ。ちゃんと水分補給しなきゃダメよ」

良かったら店の奥で休んでく？
そう言われるほど、私の顔はやつれていたのか。

もちろん断ったが何せ押しの強い彼女は、グイグイと私を背後から中へと導き店の奥の扇風機があたる涼しい席に座らせてくれた。

「いや、やっぱり私…」

「大丈夫だいじょーぶ！こんな暑い日に団子食べに来る人なんていないんだから！それに私の話し相手になってほしいのよォ」

旦那は団子作ってばっかだから、と気を利かせてくれた彼女に、流石に甘えざるをえなかった。

ちょっとだけ涼もう…
そう思ってたのに、気持ちいい風と、風鈴の音と、ちょっとした暗闇のせいで私はあっという間に眠っていたらしい。長椅子に思いっきり寝そべるように寝ていた。


今朝の夢の続きを見ていた気がする。






『ただいま戻りました。A、ちょっとこっち来てください』


『ほら、あなたの…え？誘拐？違う違う。身代金？違いますって』


『あなたの、家族です。』





ミーンミンミンミンミーン…

「…」




その蝉の声は、夢の中だったか現なのか分からなかった。

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