腹のお開き ページ13
「敵は必ず将軍を狙うはずです。なので各々の配置で常に待機しておいてください。もちろん、Aさんは将軍様のお側でお願いします。」
「はーい」
「こら、なんですかその腑抜けた返事は!」
お前は私のオカンか
「…じゃあ、1つよろしいでしょうか。この情報は本当に正しいんですか?
高杉が…あの過激派攘夷志士、高杉晋助が江戸に来ているというのは。」
「既に複数人の目撃情報があります。やつは必ず何かを仕掛けるはずですよ」
「…さいですか。」
椅子に座り直して、数枚の写真を見つめる。
…少し、髪が伸びたか
見ないうちに目付き悪くなってないかこれ?
大丈夫?ちゃんと寝てる?寝る前にスマホとか見てんじゃねーのこれ
と考えていたら、佐々木の妙な視線を感じて止めた。
「いいですか、高杉は見つけ次第捕まえなさい。そして必ずや将軍様をお守りするのです。」
「「「「はい!」」」」
「…はい」
頭が痛い。
会議室から出ると、扉の横で佐々木が待っていた。
「あなたには、できますか」
それに私は敢えて聞いた。
「…できる、とは?」
「高杉を殺すことですよ。」
キラリと光る眼鏡の奥で、何もかも見透かしたような目が怪しく光っている。
「命令は捕まえることでしょ。さっきまで会議してたのにもう忘れたんですか」
「おや。あなたこそ会議中に考え事なんて、いけないと思いますがね」
ピロンッ
『ボーッとしちゃダメだぞ!(○`ε´○)』
「…着拒してやる」
「してもまた新たなメアドを送るだけです。」
ピロンッ
『酷い事言ったら泣いちゃうお(´;ω; )』
…何この温度差。まじ風邪ひくんだけど
「あなたが何を知っているかは知りませんが、私と高杉をどうしても繋げたいようですね」
「例えばの話ですよ。古き友人に会う気分を聞いてみたかっただけなので」
古き友人…
「さぁね。髪長くなったな、としか思わないんじゃないですか」
そう言って踵を返す。
こういう腹の探り合いは苦手だ。ボロが出る前に逃げるに限るでしょ
…私と高杉が繋がってることなんて、既に知っているくせに
「…ふん。手強いですね」
古き友人?そんな優しい名前がつくような仲だったのか、私達は。
言葉にできない気持ちを、ふぅー、と息と一緒に吐き出す。
見えない何かが、空に消えていったような気がした。
______またどこかでは、煙をくゆらせてる彼も、息を吐き出してるとは知らずに
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睡魔 noa(プロフ) - 続き待ってますヾ(*´∀`*)ノ (2018年9月4日 20時) (レス) id: 4176890134 (このIDを非表示/違反報告)
八木楓(プロフ) - しゅき (2018年9月2日 21時) (レス) id: dbe5bf77f2 (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - あの、岡田以蔵ではなくて、岡田似蔵だと思います! えと、応援してます!!すっごく好きなんで!!頑張ってください!! (2018年9月2日 18時) (レス) id: 0ad6a2b0ae (このIDを非表示/違反報告)
アニオタ菌@葵 - 異三郎ですよ (2018年8月28日 19時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き気になります!更新頑張って下さいね! (2018年8月27日 11時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピミ | 作成日時:2018年8月24日 11時