【文スト】最年少幹部さんと養子縁組なりました【太宰治】【東方project】

養子縁組＿参拾陸 ページ38

「でも御免ね。首領からの命令でね、君の異能力を没収することになったんだ。」









「…な、何を言ってるンですか…？私の異能を…失くす、という事ですか…？」









「そう云う事だね」









何言ってるンだ此の人。









出来る訳が無いだろう。阿呆何ですか。









「君、遠い昔にポートマフィアの実験場で作られてるみたいだよ？」









＿＿＿＿＿＿嗚呼、神様。









何て云う運命ですか。冗談止して下さいな。








じゃあ、言っている事も解る。









其の昔、私に序の資料は爆発によって消えたのでは無く、









どっかの資料室に大切に大切に保管されていたと。









ちゃんと最後迄後始末しなよ、1代目。








「貴方達は私を…私の異能を消す手段を持っていると云う事ですか。」









ニコっと笑って太宰さんは頷く。









そして太宰さんは口移しで私に薬を飲ませた。









その瞬間だった。









身体に激痛が走った。









「うぁ…ぁぁぁ…くご…ぐぁぁぁぁ」









胃が、肺が。









私の持つ臓物全てが抜けて行く様に引っ張られる。









「今迄良く頑張ったね。もう終わりだ」









倒れると共に優しく、太宰さんに抱き締められる。









空っぽになった身体には、









其の温もりは、









酷く、心地良かった。









同時に。









私は異能力【東方】の化身。









ならば。









異能力を取り去った私は。









二百年前に創られた古ぼけたホムンクルス(お人形さん)に、









成り果ててしまった。

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