【HQ】日向翔陽と私 。２【日向翔陽】

本気　研磨side ページ10

.





「そ、そりゃ、本気ならします」






冗談のつもりで言ったはずだった。

振られるのがわかった上で告白なんて御免だ

ただ反応が見たかっただけ。



でもどうして、

「冗談だよ」の一言が出てこない。



夏とは言え、薄いTシャツ一枚、
短い丈のスウェットから見える脚

全てがおれの目を奪う



おかしいな、こんなつもりじゃなかったのに。





「本当に研磨くんって読めないです」


口を尖らせながら言うAを見て

手を伸ばしそうになる





それをグッと堪えるのも
こんなに大変な事なんだと知った


____恋愛って難しい。



「こんな事で揺らいだらダメだよ、
　翔陽が好きなんでしょ」



半分は、自分への言葉だった




「そ、そうですね！」



Aはニコ、と笑った後、




「でも、結局どっちなんですか…」



と聞いてくる








「…本気だよ」


なんて、言えるはずがない。




「…Aの事、好きだったヤツに言っておく」


「え''！？！？！？いるんですか！？！？！？」



それはおれのこと。




「…A、告白されてもちゃんと振りなよ
　あんな反応したら勘違いする人いるかもよ」




諦めも肝心、
Aは翔陽と幸せになればいい。






「いや、今のは…たぶん、
　研磨くんに言われたからであって…」








「え」









…なんて思うのは、まだ先にしよう。









「悪いのはAだよ」




「え！？何がですか！？すいません！？」









ちゃんとクロに相談しよう。

今日も今日とて→←意識した

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す