検索窓
今日:23 hit、昨日:1 hit、合計:68,929 hit

意識した ページ9

.




「へえ…翔陽やるね」

「私はそのまま食われても良かったんですけどね」

「何言ってんの」



お風呂上がり、誰もいない廊下で
私は研磨くんに今日の事を報告していた



「こ、これは…脈ありですかね!?」

「あるんじゃない」

「でも、私…恥ずかしすぎて逃げちゃって…」

「…なんで?チャンスじゃん」



まぁ誰もがそう思うよね



「わたくし、天音Aは小心者です故…
 告白する勇気などないのです…」


あぁ、かなし。と空に浮かぶ月を見ていた





「Aは、付き合いたいって思うの」

「え?」

「…翔陽と」


突然そんな事を聞いてくる研磨くん


「まあ、そりゃあ…付き合えるものなら」

「ふーん」

「ちょ!興味ない返事やめてください!」


あ、ごめん。と言う研磨くんにジト目で見つめると



「もし、Aの事を好きな人が出てきて
 告白してきたらどうする?」

「え?なんですかそのありえない例え話」

「ありえないから例え話にしてる」

「失礼すぎません???」



「で、どうなの」


月明かりに照らされた研磨くんが、
猫のように目を光らせている



「ど、どうって…」



「その人のこと、少しでも意識するの」



難しい質問を投げかけてくる研磨くんの心情は
全くと言っていい程に読めない




「い、意識はするんじゃないですかね…
 そもそも告白なんてされたことないので!」



私がそう答えると、
研磨くんは「ふーん、」と言いながら
私に顔を近づける



「…A」

「は、はい」


「好き」




「な、」





突然の言葉に、声を失う

私の頭の中は既にキャパオーバーで。




「…へ」


やっと出た声はなんとも間抜けな声だった









「…暑い」



ガラ、と窓を開けてパタパタと手で顔を仰ぐ研磨くん




…さっきのは、冗談?本気?









「研磨くん…さっきのって…」

「…ん」

「ほ、んき?冗談…?」




さっきまで見ていた顔が
まともに見れなくなる







「…どっちだと思う?」








目を細めてこちらを見る研磨くんに、

不覚にもドキリと心臓が跳ねる






彼の明るい髪が夜風になびく

ふわりと香ったのはきっとシャンプーの匂い

細い首元、綺麗な鎖骨のライン

すごく、かっこよく見えてしまうのは何故だろう




「…っ」



ゴクリと唾を飲んだ







「あ、意識した」

本気 研磨side→←この感情の名前 日向side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (134 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
98人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

プリン - 日向っていう名字になれるの羨ましい,,,私は菅原か日向か夜久だな名字を選ぶとしたら,,, (2021年11月21日 1時) (レス) @page36 id: 05f19d6a87 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 檸檬さん» ありがとうございます!!(≧∀≦) (2020年3月16日 9時) (レス) id: c52cbf5314 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 自分こうゆう純粋なの好きなんです!!読んでてすごく良かったです!! (2020年3月15日 15時) (レス) id: bb7087dd1f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 饅頭さん» ありがとうございます…!!感動していただけたのがとても嬉しいですヽ(;▽;)ノ (2020年3月10日 8時) (レス) id: c52cbf5314 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みさん» ありがとうございます!!にやにや(*´∇`*) (2020年3月10日 8時) (レス) id: c52cbf5314 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年12月6日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。