29 北視点 ページ29
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ゴト、とイチゴミルクが落ちる
彼女はそれを手に取り、「ほ、ほんまにええの?」と申し訳なさそうな表情を浮かべた。
北「ええって」
次に落ちてきたお茶を取り上げ、そう言うと
「ありがとう」と彼女は笑う。
勢いで誘った昼飯は案外緊張しなくて。
彼女の雰囲気がそうさせてくれているんだと思うけど自分なりにいろいろ話せた気がする。
北「せやけど、A。よぉ食べるなぁ」
「サンドイッチ1個と無調整豆乳よかええやん!」
北「どゆこと…?」
もう信介くんの前で自分飾んのやめたねん。と彼女は口を尖らせた。
北「飾る?」
「素で勝負や!」
北「何と勝負してんねん」
ふふん、と得意げな顔をして笑う彼女に笑みが零れる
コロコロと変える表情がとても可愛らしくて
ドキドキと心臓が騒ぎ出した
「信介くん、ジュースとか飲まんの?」
北「たまに飲むけど、あんま飲まんなぁ」
「確かにお茶か水ってイメージやわ」
途切れることのない会話をしながら渡り廊下を渡っていると、さっきから同じクラスの奴がチラチラとこちらをみているのが嫌でも見えた
後から質問攻めされるな、これは。
面倒臭いけど、それもまぁええか。と頭で考える。
『あっAさ〜ん!』
向こうから聞き慣れた声が聞こえた
「侑」
侑「およ!北さんと一緒やったんですね!」
「一緒にお昼ごはん食べてん」
侑「俺も誘ってくださいよ〜」
「また次な〜」
目の前で繰り広げられる2人の会話に耳を傾けながら先ほど買ったお茶を飲む
侑「って、またそれ飲んではるんですか?」
「ええやん、イチゴミルクうまいやん」
侑「俺は断然バナナミルク派ですわ」
「あ〜、侑っぽいな」
侑「俺っぽいって何ですか!?」
2人は次から次へと会話を続け、
いつもなら気にしないはずなのに、どうしたらこの間に入れるものかと悩み、顔に力が入る
こちらに気付いた侑は「ヒッ」と言う声を上げ、「ほ、ほな俺はこれで〜」とそそくさその場から離れてしまった。
心なしか、怯えてるように見えたけど…
「ちょ、信介くん!顔!」
北「…え?」
「めちゃめちゃしかめっ面やん!」
ははは!と笑う彼女。
顔に力が入りっぱなしだという事に言われてから気付いた。
「どないしたん?」
北「いや、蚊に刺されたとこ痒くてな」
「その蚊になりたい」
まさか、2人の間にどう入れば良いか悩んでいたなんて口が裂けても言えない。
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ピ(プロフ) - キュンキュンてよりギュンギュンして心臓破裂しそう (2020年11月9日 5時) (レス) id: 200e605a50 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 時雨さん» ありがとうございます!!(*´∀`) (2020年8月28日 10時) (レス) id: c52cbf5314 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - めっちゃおもしろいです!終始笑い転げてました。そして、アラン君ナイスツッコミ!主人公ちゃんとは、話が合いそうです!北さんと宮兄弟大好きです! (2020年8月22日 18時) (レス) id: f35e7e76f4 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - ゆり。さん» ありがとうございます!!ぶっ飛んだ夢主書くの好きで…!(≧∀≦)これからも宜しくお願いします! (2020年8月15日 16時) (レス) id: c52cbf5314 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - かきくさん» 続編出てますので読んでください(*´∀`*)!これからも応援よろしくお願いします! (2020年8月15日 16時) (レス) id: c52cbf5314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:な | 作成日時:2020年7月2日 22時