キヨ図書館で君と (ページ3)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:15,131 hit

2ページ目ページ3

.

1人の女の子が椅子に座って本を読んでいた。

それだけなのに…この、ドキドキする感じはなんなんだろう。

すっと伸びた背中。

はっきりと顔は見えないが、綺麗な横顔。

まるでスポットライトのように太陽の光が彼女を照らしている。

思わず横の本棚から適当に本をとって彼女の顔が見える位置に座る。

真っ黒で艶やかな長い髪。

雪のように白い肌。

長い睫毛に二重のくっきりとした目。

すっと伸びた高い鼻

ぷっくりとしたほんのり赤い唇。

その全てに一瞬にして心を奪われた。

そう。多分これは

一目惚れ。

.

ページをめくるたびに見える彼女の指はとても細く綺麗だった。

ページをめくるたびに見える彼女の一喜一憂した顔もとても綺麗だった。

その全てが愛おしく、その全てが欲しい。

そう心から思った。

しばらく見とれていた。

突如彼女は立ち上がり本棚の奥の方へ行ってしまった。

しばらくぽかんとしていたが、弾かれたように俺も立ち上がり彼女を探す。

キヨ「これじゃあストーカーみたいじゃん…」

そう呟く。

でもこのまま探さないでこのまま会えなくなるよりも、ここで行動を起こした方が絶対後悔しない。

この図書館は結構広いから一度見失うとなかなか見つけるのは難しい。

どこだ。

どこにいるんだよ。

必死にさっきの女の子を探す。

大丈夫絶対見つかる。絶対近くにいるから。

いた。

彼女は、高いところにある本を取ろうと一生懸命背伸びしていた。

キヨ「はい。取ろうとしてたのこの本？」

気づいたら彼女が取ろうとしていた本を俺が取り、渡していた。

A「あ、えと…その、あ、ありがとうございます…。」

彼女の声は鈴の音のように綺麗な声だった。