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1セット目 ページ9

昼食を食べ終えた後、彼はスマホゲームを始めた。
同じ空間にいてくれるだけで嬉しい、とちょっと行き過ぎなことを
考えながらもAは孤爪の事を考えていた。


(孤爪くんは喋り方がゆっくりなんだな…。声も若干高めだった、
ご飯食べてる時、ほんとに可愛かったなぁ。想像通り。)


隣にいるのだから話しかければいいとも思うが、
そんなハイレベルな事は今のAには出来なかった。


なんの前振りもなく、思ったこと。



「好き、なのかな…?」



声に出てしまった。

孤爪に聞こえるか聞こえないかギリギリの声量。

慌てて孤爪の方を見る。

ちょうどゲームをやめた頃なのか、こちらを見ていた。



「えーー……っと?」


『…?』


どうやら聞こえてなかったみたいだ。

(…………っよかったあああああ!!!)

『…おれ、そろそろ戻るけど…今井さんも一緒に行く……?』

「…?! うん、行く行く!!」



(なまえよんでくれたウレシイ……)


心の中で発狂することもせず、嬉しすぎて若干カタコトになっていた。
今日はいい日だ。誰が見てもそう思うだろう。






空いてる教室を狙ってきたため、少し自分の教室から遠い。
ましてや昼休みに旧校舎にくる生徒はあまりいない。


静まり返った廊下の中、
コツ、コツ、と二人分の足音が響く。



「あぁ、そうだ。孤爪くんはなんで今日私と一緒にお昼食べてくれたの?」


『……それは…たまたまお弁当を持って出る今井さんを見かけたから…』


「そ、そっか、」



(明日も一緒に食べたいな、なんて。)


窓が空いている廊下、孤爪の髪が風でゆらめく。


『………あと…なんとなく話してみたいなって…思った…から?』


「そうなん……え?…あ、そうなんだね!!」



孤爪がさらっと爆弾を落とす。
Aの頭はもう既にパンクしていたのにも関わらず追い討ちをかける。


(あぁ、もう考えるのやめよう。今この瞬間の幸せを味わおう。)






拝啓、大人の自分へ。
私は男子バレーボール部のセッター君に
一目惚れをしてしまいました。

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作者名:百。 | 作成日時:2020年7月5日 18時

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