笑えない君と泣けない私(時透無一郎)

全てが分かった ページ3

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私はその後、教室に入った。


私のクラスは里芋組だった。





先生に促されて教壇に立つ。



教室を見回した時、時間が止まった。






例の彼がいたのだ。





一瞬目が合ったけれど、すぐに逸らされてしまった。







私の席は彼の隣だった。


柄にもなく"運命"かもなんて思ってしまった。







話しかけようとしたけれど、質問攻めに合い、何もしないまま放課後を迎えた。








結局一日中話しかけられなかったなぁ。




そんなことを考えながら、忘れ物を教室に取りに戻った。



そこには彼の姿があった。






『探し物だったら、私も手伝うよ？』



声をかけると、彼はうつむいて静かに呟いた。



『…用が済んだなら帰って、僕に構わないでいいから。』



『それはできないなぁ〜。だって私、君と関わってみたいもん！！』


『ってことで、勝手に探させてもらうからね笑』



『……ｯ！？』






それからしばらくして、私は汚れた体育着を見つけた。



その瞬間私は全てを悟った。






＿＿＿『彼は"いじめられている"のだ。』と。






でも、これどうやって渡そう。


こんなの見たら傷付くよね。




そんなことを考えて困っていると、時透君が私から体育着を奪い取った。




『…さっき言ったことの意味が分かったでしょ。僕と関わっても損するだけだから。もう話しかけてこないで。』




彼は単調にそう言って教室から出ていった。







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