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「っこれは!」
「やっぱり来ると思っていたよ。A」
傑の居場所なら見当はついていた。
呪詛師の頂点である ”柊家“
力を持って尚、呪術師なれぬモノが行く果て…
もし本当に彼がそこにいるのならまだ間に合うはずだ。
私なら止められると確信さえあった
でもコレは…一体…
「…どう言う事だ」
「見ての通りさ。この屋敷にいた全員私が殺した」
耳鳴りがする程の静寂
それが返り血なのか彼の血なのかは分からない
ただ真っ赤に染まった部屋で1人悲しげに笑う彼を見て私はハラワタが煮えくりかえる程の怒りを覚えた
「こんな事して何の為になんの!?傑、お前は一体何がしたい!?」
「全部。非術師がいない世界をつくるためさ」
「は?意味わかんない事言わないで。そんな事無理に決まってる。」
「悟にもそう言われたよ」
「じゃあこんな意味のない事やめろよ!」
「A、君達は言っていた。呪術師である事に意味なんて要らないと」
「だったら何」
「それはAだから言えるんだよ。君は呪詛師として生まれても呪術師として生きる選択ができた。そこに意味がなくとも人を守る事ができるのは君があの最強の柊Aであるからだ。君達は最初から私と同じレールなんかに乗ってなどいなかった」
「だから何がいいたいんだよ!」
「もし私が君になれるならこの馬鹿げた理想も地に足がつくと思わないかい?」
「それは…」
否定すれば傑に嘘をつく事になり、肯定すれば傑と自分は違うと認める事になる
私はその問いに答える事が出来なかった
「答えなくてもいい…理想の為とは言え君には悪い事をしたと思っている。許してくれとは言わない…でもこれだけは伝えておきたかったんだ。私は生き方を決めた。だから君も君の決めた道を進むといい」
そう言った傑が手渡したのは
いつも父が持っていたはずの柊家の紋章が入ったバッジ
「…っ。父さん」
本当は知っていたんだ
柊家の本当の役目は非術師の世界と呪術界との均衡の維持…呪術師の道を逸れたモノが反乱など起こさぬ様恐怖で支配し、コントロールする事
例えどれほど悪人だと罵られようが、それが柊家の正義だった事も…全部知っていた
知っていてその使命から逃げたんだ
ずっと孤独に耐えきれず知らないふりをしていた
「これからは私が術師を守る」
やめろ…違う
それは傑の役目じゃない
傑は普通に生きれたはずだったんだ
そう思ってももう私に言える事などなにもない
全部…私のせいだ
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Non - 常春さん» お忙しい中コメントしていただきありがとうございます!!全然謝らないでください!読んでくださってるだけで光栄すぎるくらいです。お体におきおつけてお過ごしください (11月8日 22時) (レス) id: f644c360f0 (このIDを非表示/違反報告)
常春 - コメ返信、小説の更新ありがとうございます。最近少し忙しくてあまり占ツクを開かなくなってしまったのでコメント等が出来ませんでした。申し訳ないです。そして今回もとても面白かったです。これからの展開が楽しみです。 (11月6日 0時) (レス) id: 18eaca2ace (このIDを非表示/違反報告)
Non - 常春さん» はい!難しくて最新率が落ちスイマセン。気合いいれてがんばります!そしていつも温かいコメントありがとうございます!!本当に励まされております (10月31日 1時) (レス) id: f644c360f0 (このIDを非表示/違反報告)
常春 - コメ返信、小説の更新ありがとうございます。いよいよ懐玉 玉折編ですかね?ぶっちゃけ懐玉 玉折編が一番好きなので楽しみです。nonさんもお身体に気をつけて下さいね。 (10月23日 0時) (レス) @page27 id: 18eaca2ace (このIDを非表示/違反報告)
non - 常春さん» お久しぶりです!まだ読んでいてくださったと知って本当に嬉しく思います!いつも励ましてくださりありがとうございます。本日はまだ完成していなく更新は明日になると思いますがまたお暇があれば読んでください!!常春さんも体調に置きおつけてくださいね^^ (10月20日 0時) (レス) id: eb03765b50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Non | 作成日時:2023年9月27日 1時