-蝶は水面月で羽を癒す-

＃４０ ページ40

冨岡先生と話さなくなってから半月が経った

たった半月、されど半月…
毎日の様に顔を合わせていたのに、それがぱったりと無くなった

こんなに呆気なく終わるのね、恋って

夏の空から容赦無く照らしつけてくる日差しに目を細めながら物思いに耽っていると、少し目眩がしてしまう

蜜璃｢しのぶちゃん、どうしたの？化学室行きましょ？｣

空を見ながら立ち止まっていた私に気付いた蜜璃ちゃんが、足を止めて声を掛けてくれる

しのぶ｢ごめんなさい。今日も日差しが強いなって思って｣

蜜璃｢本当ね…うちの学校は冷房設備が整ってるから室内は快適で嬉しいけど、体育の時間はグラウンドだから少し体にこたえるわね〜

動くの好きだから、ついつい張り切っちゃうけど…///｣

しのぶ｢蜜璃ちゃんは運動神経いいものね｣ｸｽｯ

そっか、次の授業は体育…
今日は移動教室の多い時間割だったわね

談笑しながら蜜璃ちゃんと化学室に向かって歩いていると…

しのぶ｢…っ｣ｸﾗ…ｯ

蜜璃｢…！しのぶちゃん、大丈夫…っ？｣

突然の目眩に襲われて足元がふらつく

しのぶ｢大丈夫、ちょっと寝不足で……大した事ないわ｣

蜜璃｢でも…｣

しのぶ｢本当に大丈夫よ…教室に戻れば薬も持っているし、この程度の目眩は慣れて…｢どうかしたのか…っ｣


……この…声は

蜜璃｢あ…冨岡先生……！｣

しのぶ｢…っ｣ﾋﾟｸｯ

声を聞いた瞬間に頭に浮かんだ人の名を蜜璃ちゃんが口にした

蜜璃ちゃんは冨岡先生の方へ顔を向けるけど、私は体も視線も冨岡先生の方を向く事が出来ない


だって……折角 忘れかけてたのに、今顔を見たら…っ


義勇｢胡蝶、具合が悪いのか？｣

話しかけないで…名前、呼ばないで……

蜜璃｢それが…しのぶちゃんが体調悪いみたいで｣

義勇｢…！そうなのか？｣ｽｯ

優しく……しないで…っ

義勇｢確かに顔色が悪い…胡蝶、一旦保健室で休んだ方が……｢大丈夫です…！(しのぶ

冨岡先生の手が、私の方に伸びてくるのを感じて
反射的に言葉で遮ってしまった

義勇｢……胡蝶｣

やめてよ…そんな寂しそうな声出さないで下さいよ…
私に拒まれる事なんて、大した事じゃないでしょ

しのぶ｢こんなのどうって事無いですから…大事に扱わないで下さい

蜜璃ちゃん、行きましょう。授業に遅れてしまうわ｣ｸｲｯ

蜜璃｢わ…っ…しのぶちゃん、いいの…！？｣

しのぶ｢いいの！｣

蜜璃｢ご…ごめんなさい冨岡先生…！私、ちゃんと付き添ってますから…っ｣

＃４１→←＃３９

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す