【wrwrd】絶対零度のその令嬢、実はブラコンである (ページ4)

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第1話 (2) ページ4

「....お嬢？」

不審に思ったニイが声をかける。

しかし、彼の声はAには聞こえなかった

「〜〜!」

何か聴こえる。

この声は、お父様と....シャオロン？

けれど、これは怒鳴り声。

何かあったのでしょうか。

『....ニイ、行くわよ』

この一言だけを残して、屋敷と反対方向の「薔薇園」へ向かった。

ーーー

美しい薔薇が咲き誇る薔薇園には、怒り狂うガリレオンとシャオロンがいた。

ガリレオンは薔薇を愛でる事が好きで、この美しい花園も彼の命令により庭師の手で作られた。

そんな中、怒号を浴びせられ涙目で平謝りするシャオロン。

今にも殴りかかりそうなガリレオンの気迫。

しかし、それをものともせずに歩み出した。

『お父様』

Aの声は少女特有の幼さが残るものではなく、凛とした女性のようだった。

『何かあったんですか？またシャオロンが何か』

私が現れた事によって、更に顔が青くなるシャオロンを一瞥する。

「こやつは本当にけしからん！ワシが大切に育てておった薔薇をへし折ったのだ！」

その言葉を聞き、眉を顰めた。

シャオロンがお父様の薔薇を？

....いいや、そんな筈ない。

わざわざお父様に喧嘩を売るような事をシャオロンがするかしら？

横目でそっもニイを見ると、小さくだが首を横に振っていた。

『....お父様。シャオロンの件は私にお任せくださいまし。

キツく言っておきますので、ご安心を』

ドレスの裾を持ち上げ、頭を下げながらそう言う。

それを見たガリレオンは満足そうに頷いた。

「うむ。Aならば安心だろう。

....シャオロン、Aの話をしっかりと聞くように」

最後の地を這うような声色に、シャオロンは肩を揺らすしかなかった。

『お父様の了承も得た事ですし....シャオロン』

視線をお父様からシャオロンにずらすと、過剰な程に怯えられた。

しかしそれを無視して続ける。

『着いて来なさい』

顔の表情が一切変化しないAは、シャオロンにとって恐怖の対象の他なかった。