お兄ちゃんと妹【白布賢二郎】

お兄ちゃんと私 ページ47

　
　
　
　
私がトスを上げたいと思う人や




実際に試合中に上げる人は






”打ちたい”






そう強く思っている人




セッターというポジションは基本的に




バシバシ点を決めるスパイカーや




ずっしりと構えて圧をかけ相手のボールを




コートに叩き落とすブロッカー




大砲のような勢いのあるサーブやスパイクなんかを




綺麗に上げるレシーバーよりはそんなに目立つ方では無い




どちらかと言えば




”ただボールを上げているだけ”




そう思われがちなポジション




けれど




バレーボールをやっている人なら分かる




セッターの大切さ




セッターの重要さ




セッターの必須さ




もしバレーボールという海に




豊黒というチームの船に乗り




試合という名の嵐が来たなら




私は絶対に




皆を鼓舞して船を守る船長よりも




自分の手ひとつあれば




嵐を乗り越えることも




逆に船を鎮めることも出てきしまう




船の操舵手を選ぶだろう




点を決めるスパイカーは




スパイカー本人ではなく




セッターの私が決める




打ちにくいなんて言わせない




攻撃を読ませたりなんてしない




最大限に選択肢を広げて




なんの障害もなく打たせてみせる




スパイカーたちの全てが




最高な状態な時に




最高のタイミングで使うのが




私なりのセッターだ

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