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お兄ちゃんとつまみ食い ページ13

 
 
 
 
階段の電気を消して




リビングに入ろうとすると




誰もいないはずのキッチンに




微かに明かりがついていた




母は几帳面なので消し忘れたりはしない




あえて物音を立てて近づくと




分かりやすい反応が返ってきた






「やべっ、誰か来る!」




「早く隠せ!」






リビングのドアノブに手をかけると




中から聞きなれた声が聞こえてきた




誰なのかは予想は着いている






「こら、なにしてるの」




「けんじろにーちゃんごめんなさい!
って…あれ、Aねーちゃんか」




「なーんだ。へへっ、Aねーちゃんなら大丈夫だよ。
黙っててくれる」






安心したかのように笑うのは




双子の弟達




兄の春樹と弟の夏樹




最近では顔が似すぎて




どっちがどっちなのか分からない




私はこっそり声で判断するようにしている






「なに、おやつのつまみ食い?」




「だって今日なかったもん」




「明日まで待てないもん」




「こんな時間に食べてたら太るよ?」






いいもん!と頬をふくらませる双子はやはり可愛い




まだ小学生なのだから可愛げがないと困るが




何を食べていたのかと双子の手元を見ると




可愛いと思っていた気持ちが消え失せた






「……ねぇ、それなに」




「え?いちごのタルトだよ」




「冷蔵庫に入ってたの!」




「母さんが俺たちに買ってきてくれてたんだよきっと!」




「それ私のなんだけど」




「「えっ」」






私は基本的には怒らない




否、アイツとはよく喧嘩するけれど




弟たちに対しては優しくしているつもりだ




けど、そんな私も唯一怒ることがある




それは






「勝手に食べたんだ」




「だ、だってねーちゃんのって知らなかった!」




「名前書いてなかったし!」




「勝手に、食べたんだ」




「ご、ごめんなさい…」




「け、けんじろにーちゃんには黙ってて!怒られちゃう!」




「ふーん」






ビクビクと脅えているところ悪いけど




次の休みにゆっくり映画鑑賞しながら




食べるつもりで取っておいたタルトを




勝手に食べられたのは流石に怒る




私が唯一怒ること




それは私のおやつを勝手に食べられること




アイツとの喧嘩の内容も




これが6割を占めているほど




いくら可愛い弟たちと言えど許さない




食べ物の恨みは怖いのだと




知ってもらおう
 
 
 
 
 

お兄ちゃんと我慢→←お兄ちゃんと最低限



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ぬぬ - ウインナーのくだりで察してしまい吹きました、、 (12月19日 16時) (レス) @page17 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ますもも | 作成日時:2023年10月22日 3時

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