悪役に選ばれし華麗なる華 (ページ13)

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12話ページ13

貴方side

図書館を出てから数分後、
夜のせいか分からないが不気味な
雰囲気を漂わせる小屋が見えてきた

ゆうくんは

「もしかしてあれですか、？！」

と驚いている

だとしたらここ嫌だなぁって思った？

ふふ、奇遇だね。私も最初は思った

「な、なんだかお化けが出そうな雰囲気ですね…」

『お化け？…ふふ、どうだろうね』

「私は調べ物に戻りますので。
学園内はウロウロしないように！あとスカーレットくん、
彼に変なこと吹き込まないでくださいよ！では！」

『ちょっと待って変なことってなに』

私の問いかけに答えず
学園長は調べ物をしに嵐のように消えた

ざっと当たりを見渡すものの
私はいつも寝室のベッドしか使わないから
この談話室はホコリがすごい

少し息をするだけでむせてしまう

『けほっ、とりあえず掃除しよっか。
これじゃまともに息もできない。』

「そ、そうですね…真っ白なほこりが雪みたい…
座るためにも、まずは掃除しましょう。」

『せっかくだし、お話しながらやろうか』

「お話…ぜ、ぜひ！」

2人分のほこりはたきや箒、雑巾を取ってきてマスクをする

換気もしようと思ったが
嫌な予感がしたので窓は閉めたままにして
ドアを全開にした

あれ、そういえばグリムくんはどこに…？

「あ、…」

『ん？どうかした？』

「いえ、肌寒いなと思って外を見たら…雨が降ってきてて」

『やっぱり。窓は閉めておいて正解だったね』

「雨が降るってわかったんですか？」

『いや？匂いだよ』

「におい？」

『私、目は微妙だけど鼻と耳はいいの。
窓を開けた時に雨の匂いが微かに、ね』

「す、すごいですね…」

『そこまででもないよ。
3年生には、もっと凄い狩人がいるしね。』

「か、狩人？」

『ふふ、ゆうくんもいずれ関わると思うよ。
彼は美しいものが好きだけど…それと同じくらい
新しいものも好きだから。』

「？？？」

一切話がわかっていないようなので
少し微笑んだあと話を変えた

窓の外は雨による霧のせいでさらに
見えずらくなっている

ゆうくんは天井の蜘蛛の巣を取るのに
必死になっているのでこっそりと部屋を抜け出した

＿＿消えたグリムくんを探すために
　
　
　
　
　