仕事無効化と異能無効化 (ページ1)

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１話ページ1

NOside

此処は武装探偵社。

そこで依頼への準備をしていたのは今日新たに入った新入社員、中島敦

そこに社員である国木田が来る

「おい、小僧。不運且つ不幸なお前の人生に些かの同情がないわけではない」

「故にこの街で生き残るコツを一つだけ教えてやる」

そう言って彼が手帳から取り出したのは、一人の男の写真だった。

光のない闇に堕ちたような黒い瞳。冷酷な無表情。洋装の黒外套。

「こいつには遭うな。遭ったら逃げろ」

「この人は____?」

敦の問に、「マフィアだよ」と太宰が突然現れて答えた。

「尤も、他に呼び方がないからそう呼んでいるだけだけどね」

それに続いて、国木田が補足する

「港を縄張りにする兇悪な犯罪組織。奴らはポートマフィアと呼ばれている。この街の黒社会で最も危険な連中だ。

中でもその写真の男はこの探偵社のメンバーでも手に負えない危険な男だ。」

そういって国木田は眉を顰める

敦は腑に落ちない様子で首を少し傾げた。

「何故――危険なのですか？」

「そいつが能力者だからだ。殺戮に特化した頗る残忍な能力で、軍警でも手に負えん。

――俺でも、奴と戦うのは御免だ」

そう言った国木田の顔には、戦った記憶でもあるのだろうか、顔は曇っていた

敦が恐る恐る「この男の名は？」と聞く

「芥川だ。」

と国木田が「それともう一つ」と言ってポケットから一つのペンを取り出した

「お前にはまだ渡していなかったな、此れを持って於け」

そう言って敦にペンを差し出した

「如何してペン…何ですか？」

思わずこぼれた本音

「このペンは千早によって開発されたものだ。このペンは勿論普通のペンとして使えるが、其の他にもボタン一つで千早に連絡が行くという機能付きだ。

緊急時にはこのボタンを押せばいい。直ぐに来てくれるだろう

…何時もは太宰並みにさぼるような奴だが、若しもの時は役に立つかもしれん」

国木田さんが言うなら…と敦はそれを受け取ると自分の鞄のポケットに入れた

「因みに千早は常時社内にいない。偶にフラッと帰って来ては又出張仕事だ。その為に未だ太宰や賢治は千早にあったことがない」

と云ってその仕事をさぼる癖を直せばいいのだが…と溜息をつく国木田

敦が太宰の方を向くと、何故か詰らなそうな顔をしていた

「何故か私の非番の日か依頼中に来ているようでねえ…」

と肩をすくめる太宰。ふと敦が太宰の手首に目を向けた