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_______そんなある日。
ガラガラガラ..._______
いつものように、Aの病室の扉を開ける。
普段なら、本を読んでいるか、テレビを見ているか、
そんなAが今日は、
窓側を向き、ベッドに横になっていた。
......寝てんのか?
俺は、そーっとベッドと窓の、狭い間に入り込む。
そのまましゃがみ込むと、Aと自分の顔が、
10センチに満たないほどの距離になってしまった。
鼓動が明らかに早くなっていることに、
俺は気付かないフリをする。
.....いつもそうだった。
「.....死んでねぇ、よな」
縁起でもないことを呟きながら、
俺はAの口元に、手を近付けた。
息...ちゃんとしてらぁ。
その手を、今度はAの髪に置いて、
何度も何度も、優しく撫でる。
「....A」
俺が小さく名前を呼んでみると、
Aは、うっすら目を開けた。
『.....十...四郎....さん...』
まだ頭が回らないのか、至近距離にある俺の顔を、
ボーっと見つめるA。
数秒後、Aは目をガッと見開いて、
勢いよく、布団を頭まで被った。
『..な、何でそんな近___________...
来てたなら起こしてくださいよ..!』
「...いや、
あまりに気持ちよさそうに寝てたもんで」
俺が正直にそう言うと、Aは布団から出て、
窓の方を向くように座り直した。
俺も同じように、Aの隣に腰を下ろす。
「...体調は?」
俺が尋ねると、
『...変わりないです』
Aは答える。
このやり取りは、今やお決まりだった。
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リヴ - ていさん» 私も銀魂の小説書いてます!ていさんほど上手くないですが、ぜひちらっと見ていただけたら嬉しいです!! (2021年1月5日 11時) (レス) id: 3a05cdac75 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - リヴさん» 勿体ない程のお褒めの言葉ありがとうございます(TT)完結まで暖かく見守ってくださると嬉しいです!! (2021年1月5日 11時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
リヴ - 語彙力が素晴らしいです!ていさんの作品色々読ませていただいたんですが、どれも面白くて…!尊敬してます!更新頑張ってください! (2021年1月5日 10時) (レス) id: 3a05cdac75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てい | 作成日時:2020年12月20日 6時