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仕事に復帰してから、約半年。
「......山崎..っ...もう大丈夫だ..っ...」
全身、至る所から流血し、
意識の朦朧としている山崎の肩を抱き、
俺は近くの病院へと急いだ。
過激派攘夷浪士たちの動きを監察していた山崎が、
奴らに勘付かれ、襲撃を受けてしまったのだ。
生憎、駆け付けられたのは俺一人だけで、
何とか片は付けられたが、
山崎は、重傷を負うことになってしまった。
俺は、治療室へ運ばれる山崎を見送り、
一旦屯所に戻ろうと、外に出る。
そしてふと、出入り口のドアを振り返ると、
.....あいつと出会った病院だった。
それに気付いた俺は、
Aの病室ではなく、屋上に向かう。
半年前と同じように、
立ち入り禁止の看板を無視して、扉を開けた。
扉の開く音に驚き、先にそこにいた女は、
勢いよくこちらを振り向く。
ここにアンタがいる気がした....
なんて言ったら、流石に気持ち悪いだろうか。
目をまん丸く開いたままの、Aの傍に近付くと、
音になるかならないかくらいの声で言った。
『....十...四郎...さん』
「...よぉ」
『どっ....!どうしたんですかその血...!
は、早く先生に診てもらわないと...!』
再会どーこーの前に、
返り血だらけの、俺の姿を心配するA。
「やべ、洗うの忘れてた...これ全部返り血」
俺は隊服の袖で、顔をごしごしとこする。
『.....お久しぶりですね...
...どなたか怪我でもされたんですか?』
Aは俺の言葉に、ホッとしてから尋ねた。
「ああ、ちーと隊士が深手を負ってな
.....あ、てめーに会いに来たとでも思ったか?」
俺は、それほど親交も深くない、
半年ぶりに会った奴に向けているとは思えない、
皮肉をこめた言い方をしてしまう。
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リヴ - ていさん» 私も銀魂の小説書いてます!ていさんほど上手くないですが、ぜひちらっと見ていただけたら嬉しいです!! (2021年1月5日 11時) (レス) id: 3a05cdac75 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - リヴさん» 勿体ない程のお褒めの言葉ありがとうございます(TT)完結まで暖かく見守ってくださると嬉しいです!! (2021年1月5日 11時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
リヴ - 語彙力が素晴らしいです!ていさんの作品色々読ませていただいたんですが、どれも面白くて…!尊敬してます!更新頑張ってください! (2021年1月5日 10時) (レス) id: 3a05cdac75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てい | 作成日時:2020年12月20日 6時