私は稀有な異能の子 ＊2＊【文スト】太宰治

神 ページ17

〜敦side〜


白装束の人達が僕達から目線を外し、
1番奥へと目を向けた。

僕もそれにつられて目線を
遥か奥へ向けると、
赤い衣装に身を包んだAが見えた。

すると太宰さんもそれに気づいたようで、


太｢やっと見つけたよ、私の姫｣


と呟く。

もしかして太宰さん……

すると突然、あのおばちゃんが叫んだ。


お｢燗華凌教の信者ならば、神を護る為に
拳をあげ、脚を動かし闘うのだ！！
神聖な儀式に水を差した奴をこのまま
帰すわけには行かぬ！行くのだ皆の衆！
燗華凌教の誇りにかけて…！！！｣


一体、何を言っているんだ…？

その女性が鼓舞すると同時に、1000人の
大衆が僕らの方へと殴りかかろうと
してきたのである。


独｢殺すな！峰打ちにしろ！｣


国木田さんの指示の元、
皆は散り散りになって1000人の
攻撃を交わし、峰打ちにしなければ
ならない。

すると1人あたり約70人以上も相手に
しなくちゃいけないのか……！


中｢くッそ、全員ぶっ飛ばしてやりてェ｣

太｢中也！ポートマフィアから
Aをこちら側に連れてくる人を出せ！｣

中｢あ"ァ？……チッ、
おい！樋口！銀！お前らの分も俺が相手に
するから、Aを救出してこい！！｣

樋｢了解……！｣


樋口さんと銀さんが敵を幾多も交わしながら
Aがいる台座へと駆ける。

Aは別に逃げようとする気配もなく、
ただ静かに台座に座っている。

良かった、Aは無事みたいだ。

自分の、相手を異能力で殺さない程度に
気絶させ、40人ほどの始末が終わったと
思った瞬間、奥の方で轟音がなった。

はっとして、Aの方を見ると、
救出に言ったはずの銀さんと
樋口さんがいない。


与｢あの2人は一体………… ！？｣


与謝野さんが言葉を失う。

僕も言葉が出ない。


敦｢A……？｣


信者たちの動きも一斉に止まる。

銀さんと樋口さんは左右の壁に
叩きつけられていた。

しかしそれ以上に目を引いたのは、
Aが立ち、異能力を使っていたのである。

それだけではない。


谷｢Aちゃんの腕が……｣

芥｢8本に増えている……だと？｣

敦｢背中から6本の腕が……｣


男｢つい二、つい二、A様ガ
神の御加護を受継さレ、神となったゾ！！！｣


大柄な男が叫ぶと、
残りの信者たちは雄叫びを上げる。

Aは観音様のような姿になっていた。


太｢A……？｣




｢今、受継の儀が完了し、我が神となった…！



我が燗華凌教の神である！！！｣

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