私は稀有な異能の子 ＊2＊【文スト】太宰治

作戦2 ページ11

乱｢僕はなんとなく予想は
ついてたけどねぇ｣

太｢その神迎えの儀が行われる日は？｣

ナ｢信者達の動きからみると、



…………あと2日後だそうですわ｣



悲しそうに言うナオミ。


鏡｢2日ならなんとかなるかもしれない｣

独｢だが今から大型船を借りる資金など
集められるわけが…｣

鏡｢あの人たちとは関わりたくないけれど…｣

敦｢きょ、鏡花ちゃん…まさか……！｣

鏡｢ポートマフィア専用の船着場に
凄く大きくはないけれど船がある｣


"ポートマフィア"という言葉で
探偵社員に緊張が走る。


鏡｢でも、芥川には無理…｣


するとそこで太宰はある考えを思いついた。


太｢そうか！その手があったか！｣


またいつものようにニマニマとした
表情になる太宰。
他の探偵社員は、はぁ？という
様な表情を浮かべていたが、
泉は、あ、そういうことかと
1人、納得するのだった。


太｢皆は準備でもしてきてくれ給え｣

敦｢だ、太宰さん、どこへ……｣

太｢私の大嫌いな人のとこ♡｣





……






太｢というわけなんだけど…｣

？｢それで俺に来たッてわけか｣


路地裏、男2人は険悪なムードを
醸(ｶﾓ)し出しながら話していた。


太｢中也〜、だめ〜？｣

中｢はっ、手前の好きなやつに
手を出した奴を頼るとは、落ちたなァ太宰。｣

太｢あの時のことはまだ許してないよ｣

中｢だが、俺が協力すると思うか？｣

太｢え、してくれないの？？｣

中｢なんで手前の頼み事を聞かなくちゃ
いけないンだよ！！｣


中原がこれでもかと叫ぶ。
しかし太宰は冷静に言い放った。


太｢君、Aに惚れてるんだろう？
囚われのお姫様が、助けに来てくれた人を
好きにならないわけがないんだけどなぁ｣

中｢ぐッ……｣

太｢まぁ君が協力してくれないならいいや。
私が全て頂だいていくよ｣


太宰は立ち去ろうとする。


中｢………だァァァ！分かッたよ！！
行けばいいンだろ！？｣

太｢いや、船を貸してくれれば｣

中｢うるせェ！俺も行くぞ！
……まぁ、
ポートマフィアが締めていた裏社会で
ちょこまかされた仕返しにも
行ッてやらねェとな｣

太｢そうと決まれば、早速手続きを
してもらわなくちゃね｣

中｢分かッてるよ｣


中原は路地裏をさらに奥へと進む。
この先にポートマフィア専用の
地下通路でもあるのだろう。

後ろを向いたまま中原は言った。


中｢集合は明日の9時。お前ならどこと
言わなくたって分かるだろ｣

太｢嗚呼｣


中原は足早に去っていった。

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