悪魔に愛されるということ ページ1
元ネタは2チャンネルの「洒落にならない怖い話」から選抜した異世界系です。この小説は、怖くありません。
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目覚めたら、ベッドの上。身体は全身が痛くて動けない。それしか頭に無い。
何故ここにいるのかとか、腕に針が刺されているのかだとか、考えることが出来なかった
看護師が来たかと思えば、私を見て驚き、病室を走って出ていった。
出て行った看護師が戻ってきたかと思えば、知らない女性と、若い男性が涙を目に浮かべて私のベッドに駆け寄ってこう言った。
「良かった、良かった。生きててくれて良かった...!」
「ぐっ...うう、無事で良かったよぉ!本当、マジで...」
グズグズと泣いている人達をボーッと見つめていたら、看護師は言った。
「貴方の、お母さんとお兄さんよ。覚えてる?」
『?...違う。知らない.....貴方は私の母じゃないと思う.....人違いかと...それに、私に兄はいない...です』
すると、絶望と驚愕の混じった表情を2人は浮かべた。
訳が分からない。
私には弟は居るが兄は居なかったし、何よりも母を名乗るこの人は、私の知ってる母と顔も口調も全てが違うではないか。
私の言葉にショックを受けたのか2人は泣きじゃくっていたので申し訳ない気持ちになるが、何と声を掛けたらいいか。
だって、本当に知らない人達だから。
「...記憶混合や記憶喪失を患っています。その内、過去の記憶を思い出す可能性もありますので...カウンセリングを...」
看護師は気まずそうに2人を宥めながら今後の方針について話しているようだ。
兎に角、私は起き上がりたくて、身体を起こしたが足が重く、痛く、簡単に起き上がれない。
「安静にして下さい」
『あの、トイレに行きたいんですけど...』
私は車椅子に乗せられ、母、兄と名乗る人達にトイレまで押してもらった。
脚にはギプスをはめられていた。
『あの、1人でトイレ出来るので...ここまでで大丈夫です』
「...そう」
私は病室の大きなトイレで用を足し、手を洗おうと思った時だった。
鏡に映った自分を見て過呼吸になる。
鏡に映った自分は、自分の顔じゃなかった。
全く知らない女の子の顔だ。
息の仕方を忘れてしまい、苦しくなって深呼吸を繰り返すけど目の前がボヤけてきた。
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作者名:どこぞの二次元オタク | 作成日時:2020年2月12日 9時