♯3 風変わりな作家 ページ3
*紅葉side
「…紙と鉛筆が無い!!!」
図書館に足を運ぶと、着物を着た誰かが、椅子に腰かけながら慌てているのが見えた
紙と鉛筆を忘れ、何か書けるものはないかと探し回ることは、作家に良くあることであろう。
きっとこの人も、そうなのではないか。そう思った我は、紙と鉛筆を差し出した
「…紙と鉛筆なら持っているぞ。我のものを使うと良い」
声に反応したその人は、ゆっくり振り返る。
その瞬間、その人と目が合って…それと同時に目が離せなくなった。
美しい、といえばよいのだろうか。
柔らかな髪は短く、肩あたりにまで切りそろえられていて、薄紅色の桜がちりばめられた着物を身に纏っていた。まるで、春の訪れを伝える妖精のよう…
初めて見る人だ。しかも女性の。
有魂書に潜書して、転生してきた人なのだろうか?
目を細めていると、その女の人が言った。
「か、神様……?」
ん…?
「神様…?」
首を傾げる。
神様とはなんのことであろう…?
その人はきらきらとした瞳をこちらに向けていて…
「…神様とは…もしかして我のことか…?」
思わず、笑みがこぼれる。
風変わりな作家であるな。
名前を問うと、神崎Aというらしい。
確か……その名前の作家の小説…「五月雨」と「深紅のルビー」が図書館にあった…
年号の表示が「2018年」と書かれていたが……
それを不自然に思うこと以上に物語が面白く、引き込まれてしまうかのような魅力があった。
数々の文豪の間で話題になっていた小説でもある。
文才も申し分ない。
その上、汝が書く小説に魅力を感じた。
我はそのとき思ったのだ。
……尾崎一門に入ってもらえないだろうか、と。
「ふむ…気に入った。尾崎一門に入らぬか?」
これがAとの出会いだった。
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黒井 ショウ - 本当に面白い作品です!続きは書かないのでしょうか?書いてくれたら嬉しい限りです! (3月11日 9時) (レス) @page5 id: 8032af1e8b (このIDを非表示/違反報告)
水月YU-NO - 私も、尾崎一門大好きです!紅葉先生、いいですよね。更新停止中は残念です・・・ (2020年8月9日 14時) (レス) id: 26534efd0e (このIDを非表示/違反報告)
由良 - すごく面白いです!更新、頑張って下さい! (2020年5月10日 16時) (レス) id: 752347c070 (このIDを非表示/違反報告)
凛々 - 私も尾崎一門好きなんです!更新頑張ってください!プレッシャーをかけているつもりはありません( ;-`д´-) (2020年5月8日 13時) (レス) id: 9f94443348 (このIDを非表示/違反報告)
紫羅那(プロフ) - 頑張ってください!!!応援しています!! (2018年12月26日 17時) (レス) id: 824c90f62e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも x他1人 | 作成日時:2018年12月18日 0時