第三回 ページ6
.
そんな中、四月になり、
私も大学四年生になったタイミングで、
とある知らせが舞い込んできた。
丸「…あっ」
横「なに」
大「あ！」
渋「な、何や」
錦「…むらかみくん！！」
村「びっくりしたぁ何やねん！！」
安「きた…！」
「え？」
それぞれの部屋で、日付が変わった瞬間。
私達の部屋から、章大君がスマホ片手に
リビングへと飛び出していくので
私も気になってついて行ってみると…
何故か、隆平君も忠義君も亮君も、
同じようにリビングに集まって来てる。
そして、…恐らく私と同じ状態の年上組の三人も。
これは、一体…？
「「第三回！！」」
「…え、」
皆が顔を合わせて見事に声を揃えたので、それに驚きつつも
私はそれだけで何のことか察しがついた。
第三回、って…
渋「第三回ヨコの恥ずかしいエピソード選手権？」
横「んなもん過去に二回もあってたまるか！！」
村「第三回N〇K紅白歌合戦？」
横「アホか！もっとやっとるわ！」
「「…」」
横「…第三か」
「第三回ニューバンドスターですね！！」
安「そう！！」
横「俺にも何かボケさせぃ！」
すみません、何か三人でふざけてらっしゃったので…。
と思ったら、忠義君たちに
「今のはAちゃんに感謝した方がええで」
って言われてる侯隆君。
…って、そんなことより。
「開催決定したんですね？」
錦「さっき情報解禁されたっぽいで」
丸「開催時期は去年とほぼほぼ同じみたいやね！」
村「また夏休みの時期か」
安「決勝は九月、地上波生放送…」
大「参加はオリジナル曲に限る！」
渋「決勝まで行ったら自分たちの曲がテレビでできる、
そこも一緒やな」
横「決勝…まじで頑張ろな」
皆が情報を追っていった後、侯隆君がそう言って、皆頷く。
…私だって。
「優勝、しましょう」
どちらかと言えば、自分に言い聞かせるように放った言葉。
だけど、
渋「…おう」
錦「絶対な」
力強い同調が七方向から返ってきて、私の心は熱くなる。
そうだ、私が頑張りたいことはこれ。
今年こそ優勝するんだ。
私にはこの七人がついてるんだから、絶対大丈夫。
そう、だから、私はバンドで…。
…そうやってこの時、本気で頑張りたい気持ちの裏で
どこか上手くいかない就活への不安を誤魔化していた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 488人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒葡萄
| 作成日時：2022年5月5日 8時
