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コロッケ (黒) ページ27

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「…あ、」



横「…え、Aやん」






大学からの帰り、駅から降りて商店街へと向かう道で

なんと、侯隆君とばったり会いました。



…まぁ、家が同じだから不思議ではないけど。



それでもお互いの生活リズムがあるのに、

同じ時間にここで遭遇するのは何だか嬉しいような。






「バイト帰りですか?お疲れ様です」



横「おん、なんか今日早めに上がらせてもらえた。

Aは大学?」



「そうです、ゼミがあって」






侯隆君、私の後ろから差し込んでいる夕陽が眩しそう。



光を反射した綺麗な瞳が細められる。



足を止めた私達は、再び同じ方向に歩き出した。






横「…ゼミとか、どんな感じなん?」



「え?…まぁ、平和な感じ…?」



横「何やねんそれ」



「だって…そんな気になります?」



横「気になるっていうか…仲良いんかなと思って。

あ、ほら飲み会とかやらんの?ゼミ終わりにあったりするやん」



「ああ、たまにありますね。今日は無かったけど…。でも、」



横「でも?」



「今日は、どっちにしろご飯作るつもりだったんで」






そう言うと、侯隆君の顔に若干疑問の色が浮かぶ。



それもそのはず。



いくら料理担当といえど、用事等で休みたい時には

他の人が代わりにやってくれたり、

各自で済ませたりするのですが。



今日はもし飲み会があっても参加せずに

まっすぐ帰ろうと決めていたのです。



何故なら。






「…今日、あそこのお肉屋さん特売日なんで」



横「ん?」






商店街を突き進んでいくと、見えてきたお肉屋さん。



『本日特売』ののぼりが立てられている。



ってことは、まだ間に合うかな?






「せっかくなので沢山買って、今日は生姜焼きにしようかなって」



横「うわ、最高やんけ」






そう、だから今日はどうしても早く帰って買いに行きたかった。



何故かって…お肉屋さんのお肉は、美味しいから。笑



お店の前まで行くと、まだまだ売っているみたいなので、

侯隆君に付き添ってもらいつつ、買おうと思います。



ショーケースを見ながら

お店の人に欲しいお肉とグラム数を伝えていると、






横「…すいません、コロッケも二つ」



「えっ」



「はいよー、袋入れようか?」



横「いや、すぐ食べるんで」



「はいはーい」



「…ちょっと?」



横「ごめん、めちゃくちゃ美味そうやって、」






俺出すから一緒に食べよ、って無邪気な顔。



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作者名:黒葡萄 | 作成日時:2022年5月5日 8時

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