電話 (紫) ページ33
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日曜日の夜。
センター試験の日程は終わって、
三年生はひと段落ついた所なんだろうか。
家にいても、
無意識に三年生のことばっかり考えちゃってて。
そわそわするなぁ、こんなこと初めて。
…と、その時、
ブーッ、ブーッ、
「わっ！…びっくりした」
机に置いてあったスマホが突然震え出した。
ぱっと画面に映し出されたのは、
「…信ちゃん先輩？」
意外な人物からの着信。
驚きながらも、慌てて通話ボタンをタップする。
「もしもし、」
村『あ、A？』
「Aです…っ」
村『何やねんその焦った声』
こっちは驚きがたくさんでこうなっているのに、
電話越しに聞こえてきた声は思いの外いつも通り。
少しハスキーで、特徴的だけど、どこか安心する。
「突然どうしたんですか？
…っていうかセンター試験は！？」
村『落ち着けて』
「逆に何で先輩がそんな落ち着いてるんですか」
村『周りが大袈裟過ぎんねん、笑
試験なら無事に終わったで』
「はあ…それなら良かった」
村『ん。まあ結果はどうなるか分からんけどな』
「縁起でもない事言わないでくださいよ」
私がそう言うと、あははと笑い声。
少し久しぶりの会話でも変わらないテンポ感に
こっちも落ち着いて安心してきた。
「…で、どうして電話を？」
村『ん？』
「いや、私に何か用事でもありました？」
村『何で？何も無いけど』
「…え？」
何も無い？
何も無いのにかけてきた？
…なぜ。
単純に疑問として。
村『理由無しに電話したらあかんの？』
「…えっと、どういう、」
村『Aは業務連絡以外は
俺と喋りたないっちゅうことか』
「ちょちょちょ、ちょっと待ってください！
そうは言ってませんけど！」
心做しかちょっぴり拗ねたように聞こえるのは
ただの気のせい？
声に甘えが混じってるような気がして、
そんなの聞いたの初めてで。
戸惑う私に追い打ちをかけるように
村『我慢出来んくなったから』
「え、」
村『Aとゆっくり話したくなって、
声聞きたなったから、電話掛けてん』
…なにこれなにこれなにこれ。
やばい。
「…」
村『おーい、あれ？聞こえとる？
おい、おい、…聞こえとんのかこら』
まさかまさかの甘々信ちゃん先輩に、
只今、言葉も声も出ない状態です。
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黒葡萄(プロフ) - 花さん» コメントありがとうございます！これからどうなっていくのか、ぜひ見届けて頂けると嬉しいです！ (2018年3月14日 10時) (
レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
花 - 未来が気になるお話ですねー、是非大学生バージョンも見てみたい (2018年3月11日 19時) (レス) id: b46cbad2cc (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - りこさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて本当に嬉しい限りです…！良かったらこれからも楽しみにしててください！ (2018年2月13日 13時) (レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - 春歌さん» コメントありがとうございます！一番の要注意先輩です笑 (2018年2月13日 13時) (レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
りこ - もう毎回楽しみすぎてヤバイです もうこのお話大好きです (2018年2月12日 23時) (レス) id: e52a1f5f42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒葡萄
| 作成日時：2018年1月7日 4時
